2024 年 12月 22日 (日)
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ブロックチェーン技術で誕生、韓国発ガールズグループ

tripleS初ユニット「Acid Angel from Asia」(モードハウス提供)(c)news1

韓国発の新人ガールズグループが米国でいきなり大ブレイクしている。米国初のK-POPラジオ番組「K-POPレーダー」で、韓国の人気女性グループ「BLACKPINK」を破って1位を獲得。iTunesUS、メキシコやトルコのK-POPアルバムチャートでも1位になるなど勢いが止まらない。

24人組の女性アイドルグループ「tripleS(トリプルエス)」からのサブユニットとして登場した「Acid Angel from Asia(アシッド・エンジェル・フローム・アジア=AAA)」だ。

AAAは、最先端の技術で誕生したグループとしても注目されている。NFT(Non-Fungible token、非代替性トークン)を用いた投票で生まれた点が特徴だ。

NFTとは、改ざんが非常に困難なブロックチェーン技術を用いてデジタルデータに代替不可能な識別情報を持たせ、デジタル作品が「本物」であること▽その所有――について証明する技術。コピーや偽造が難しい「鑑定書付きのデジタルデータ」ともいわれる。

この技術によって作られたNFTフォトカードを世界中のファンが買い、ユーティリティトークン(ゲームなどでアイテム購入などに使うことのできるもの)を入手して、投票に参加したのだ。

tripleSが所属する企画会社「モードハウス」は、このプロセスを「エンター3.0」と呼ぶ。エンターテインメント企業がアルバムだけを販売していた「エンター1.0」▽アーティストとファン間のコミュニケーションが始まった「エンター2.0」――を越え、ファンがNFTを通じて知的財産権(IP)を所有する「エンター3.0」時代が到来したというわけだ。

tripleSは来年1月には、この「エンター3.0」のプロセスを活かし、アルバムのタイトル曲を投票で選ぶという。

ファン参加型アプリケーション「コスモ(Cosmo)」(モードハウス提供)(c)news1

◇NFT買えばもらえるトークンで投票

モードハウスのペク・グァンヒョン副代表が11月30日、news1の取材に応じた。

「K-POPファンは1億人程度と推計される。ただ、アイドルが生まれるプロセスに、ファンの声が反映される機会はほとんどなかった。投票でアイドルを選ぶ放送プログラムはあったが、現実には企画会社の影響力が強く反映されていた」

ペク副代表は、これまでの不透明なプロセスを変革するのがブロックチェーンだという。

ブロックチェーン技術を適用すれば、ファンが参加できる範囲が大きく広がる。NFTを活用してファンがIPを所有し、トークンエコノミー(デジタル通貨による新たな経済圏)を活用して投票への参加が可能になる。ここで使うNFTは、単なる絵画などの収集品をデジタル化したものではなく、ユーティリティを強調して作られたものだ。

「これまでのK-POPエンターテインメント社は、デジタル収集品をNFTにする傾向が強かった。モードハウスの場合、それはユーティリティだ」

tripleSのフォトカードNFT「オブジェクト」(tripleSツイッターキャプチャー)(c)news1

モードハウスは、tripleSのフォトカードを、実物カードとNFTで製作した。実物カードにあるQRコードをスキャンすると、ファンのためのアプリケーション「コスモ(Cosmo)」の中の財布にNFT「オブジェクト」として追加される。

実物カードとNFTで同時に製作した理由について、ペク副代表は「K-POPファンが最も収集しやすいのがフォトカード。実物のフォトカードを集めるファンも多く、2つのバージョンを作った」と説明した。

NFTを所有すると、ユーティリティトークンである「コモ(COMO)」を受け取ることができる。ファーストクラスNFT一つで、投票権のある「1コモ」がもらえ、ユニットグループのメンバーやタイトル曲の選定に参加することが可能となる。

(c)news1

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