韓国で高金利・物価高が続く中、10月の生産と消費、輸出が同時に下落した。生産側面で輸出減少傾向が続いたことに加え、消費・投資の面で半導体景気が下降したことが影響した。
設備投資が横ばいを見せ、生産と消費、投資がすべて減る「トリプル減少」は免れたが、景気低迷局面に入っているとの見方が強まっている。
韓国統計庁の産業活動動向発表によると、10月の全産業生産(季節調整・農林漁業を除く)は前月比1.5%減少し、2020年4月(-1.8%)以来最大幅の減少を記録した。
製造業をはじめ鉱工業生産は3.5%、サービス業生産は0.8%それぞれ減少した。鉱工業は2020年5月(-7.3%)以降、サービス業は2020年12月(-1.0%)以降最大の減少となった。新型コロナウイルス感染が拡大した2020年水準まで生産が縮小した形。
コロナ対策を受けた中国封鎖の影響で、輸出不振が続き、韓国経済が大きく揺さぶられている。10月の輸出(-5.7%)が2年ぶりにマイナスに転じ、製造業の生産も同時に打撃を受けた。
半導体価格の下落の影響で、10月の輸出金額指数は1年前より6.7%、輸出物量指数は3.4%それぞれ下落した。この二つの指数の同時下落も、やはり新型コロナウイルス感染拡大が始まった2020年8月以来初めてだ。
11月1~20日の輸出も前年同期比で16.7%減っており、2カ月連続減少となるのが有力だ。ソウル・梨泰院(イテウォン)雑踏事故や貨物業界のストライキが起きたこともマイナス材料として作用しそうだ。
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