韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は28日、ソウル市内で開かれた「未来宇宙経済ロードマップ宣布式」に出席し、「未来宇宙経済ロードマップ」を提示したうえ「成功した国が宇宙を夢見るのではなく、宇宙を夢見る国が成功した国になるだろう」と強調した。
ユン大統領は▽韓国が5年以内に月に向かって飛ぶことのできる発射体エンジンの開発▽2032年に月に着陸して資源採掘を開始する▽2045年には火星に太極旗を差し込む――などと語り、「一つ一つ実現していく過程で想像できなかった技術を開発し、未知の領域を開拓していく」と訴えた。
◇ヌリ号より強力な次世代発射体
本格的な宇宙経済時代を開拓するため、ユン大統領は「2023年末に宇宙航空庁を発足させ、ここで宇宙航空政策を樹立し、研究開発と技術確保を主導する」と表明した。宇宙航空庁は専門家中心・プロジェクト中心に構成して宇宙航空産業の育成と外交、国際協力を進め、韓国を宇宙経済強国にする中枢的な役割を果たすとしている。
また、ユン大統領自ら、国家宇宙委員会の委員長を引き受け、宇宙経済の時代を着実に準備していくとも約束した。さらに「韓国型衛星航法システムを構築し、都心航空交通(UAM)、自動運転車などの新産業を支援する。このために5年内に宇宙開発予算を2倍に増やし、2045年までに少なくとも100兆ウォン以上の投資を引き出す」と宣言した。
さらに、ユン大統領は▽公共機関が保有する宇宙技術を民間に移転する▽世界市場をリードする民間宇宙企業が出現するよう専用ファンドを作って支援する――などを掲げた。「世界5大宇宙技術強国にのし上がるため(韓国の国産宇宙ロケット)『ヌリ号』より強力な次世代発射体を開発し、発射体と衛星の重要部品の技術自立を成し遂げる」と抱負を語った。
◇宇宙航空庁設立推進団を発足
ユン大統領は宇宙空間における安全保障についても言及し、「宇宙安保戦略体系を確立し、宇宙作戦に特化した宇宙安保技術開発のために民・軍協業体系を強化していく」と打ち上げた。
加えて、米韓同盟を米韓宇宙同盟に発展させ、国際社会と宇宙安全保障協力を拡大していく、としている。そのうえで「そして国際協力によって、宇宙空間活用に対する、公正で合理的な規範を立てていくことに韓国が先頭に立つ」と語った。
科学技術情報通信省は28日、宇宙航空庁設立推進団を発足させ、宇宙航空庁の立ち上げに着手した。
宣言式には韓国外の宇宙関連機関や企業関係者150人余りが参加。ハンファ・エアロスペース、LIGネクスワン、KTSATなど韓国宇宙開発代表企業70社余りにより「宇宙経済実現のための共同宣言文」が発表された。
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