ソウル・梨泰院(イテウォン)で先月29日発生した雑踏事故の犠牲者遺族28人が22日、ソウル市内で記者会見を開き、事故の真相究明を求めた。梨泰院雑踏事故の遺族が記者会見に臨むのは初めて。
遺族側は▽大統領の心からの謝罪と後続措置の約束▽聖域なく厳格な責任究明▽遺族側も加わった真相や責任の究明▽犠牲者に対する完全な記憶と追慕のための積極的措置――など、6つの要求事項を発表した。
事故で息子を亡くした母親は「初動対応が不十分な人災であり、不作為による惨事だ。私も夫も息子もユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領を選んだ。青年たちが2度とこんな被害に遭わないよう、大統領が厳しく処罰してくれると信じている」と涙声で話した。
別の母親は「この瞬間も、状況を受け入れることができない」という。息子の死亡診断書には、死亡日時は「推定」、場所は「路上」、死因は「負傷」と記されている。母親は「どの親が死因も場所もわからずに、子供を見送ることができるのか」とすすり泣いた。そのうえで「他の遺族とともに、われわれの子供たちがなぜ無念にも死ななければならなかったのか、徹底的に明らかにしたい」と語った。
また、別の遺族は、政府が事故後、遺族に対するケアが不十分だった点を挙げ、「事故から17日過ぎて、ようやく他の遺族に会うことができた」と明かした。
記者会見の途中、嗚咽して倒れる遺族もいた。
遺族とともに記者会見を開いた韓国の革新系弁護士団体「民主社会のための弁護士会」のソ・チェワン弁護士は「弁護士会に連絡してきた家族は犠牲者158人のうち34人の遺族であり、追加で連絡してくる方もいる。6つの要求事項は、遺族と話し合ったことをまとめたもの」と説明した。
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