韓国で今月17日実施された大学修学能力試験(修能)について、「問題を解く際に妨害を受けた」という投稿がオンラインコミュニティで相次いでいる。修能をめぐっては毎年、妨害行為に関する指摘が相次いでいるが、専門家の間では「刑事責任までは問えない」という見解が一般的だ。
今年の修能をめぐり、オンラインコミュニティに「ある受験生を告訴したい」という書き込みが掲載された。「この受験生が独特な髪型をしていたため、試験に集中できなかった」という内容だった。このコミュニティにはこの受験生の写真や目撃談などが多数掲載された。
修能の受験生は試験当日、小さなことにも敏感になり、周囲の服装にも影響を受けかねない、という指摘が出ている。ソウル市恩平(ウンピョン)区で修能を受けた受験生は「一つの教室に24人程度がいたが、大部分が無彩色の服を着ていた。もし独特な服装をした人がいたら気になったと思う」と記している。
また、仁川(インチョン)のある高校では、ある受験生が10分ごとに挙手して試験官に経過時間を尋ね、試験終了30分前には「トイレに行きたい」と大声を出たりしたという。投稿者は「試験官が適切に対処せず、(当該受験生の行為によって)被害を受けた」と主張している。この受験生については退室措置が取られたという。
同様の“妨害”行為は毎年の修能で繰り返し指摘される。一昨年はソウルのある高校での試験で終了のベルが2分早く鳴るというトラブルが起き、試験官が解答用紙を配り直すという混乱があった。このトラブルについて、受験生と保護者が教育相ら8人を告訴する事態に発展したが、警察当局は約2カ月間の捜査の結果、告訴を受理しないという判断を下した。
法律の専門家の多くが、こうした行為に対して刑事責任を問うのは難しいという。ある弁護士は「乱暴を働いて修能を妨害したならば公務執行妨害などの罪に問うことは可能だ。ただ、騒ぎを起こせばまず注意が与えられ、繰り返されれば退場させることになる。刑事告訴までつながる事例はほとんどない」と指摘している。
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