ソウル・梨泰院(イテウォン)雑踏事故に関連して、野党寄りの市民メディアが遺族の同意を得ずに犠牲者の名簿を公開し、波紋を呼んでいる。
市民言論団体「タンポポ」は今月14日、遺族の同意のないまま、犠牲者155人の実名を明らかにした。また、ユーチューブチャンネル「ザ・探査」も同じ日、リストを公開した。正義具現司祭団も同日夜、ソウル・光化門(クァンファムン)で追悼ミサを開き、惨事犠牲者の名前をひとりひとり呼ぶ方法で追悼祈祷を開催した。
一部には実名を使ってこそ真の追慕という主張がある。市民の間には、追慕のためには名前を記憶し、忘れないようにしなければならないとの考えもある。自営業者のチェ・スクチャさん(48)は「すべてのことがなかったことのようにされ、われわれの社会は既に日常を回復している。ただ、忘れられるのは心が痛む」と追慕を続けるよう求めた。
一方で、追慕と・再発防止に実名公開を結び付けるのには無理があるという主張もある。犠牲者に対する悪質なコメントが掲載されるなかで、実名を公開すれば、被害をさらに大きくするという指摘だ。仁川在住のリュ・ドンギュンさん(26)は「名前の公開・非公開によって事故の本質が変わるわけではない。名前を公開しないから追慕できないということには同意しない。名前を知らなくても追悼はできる」と指摘する。
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