◇たんぱく質飲料・睡眠サポートドリンクが、イオン・眠気覚ましドリンクに取って代わるか
最近、飲料水市場では「たんぱく質飲料」が人気を集めている。ダイエットのために炭水化物を減らし、たんぱく質の摂取を増やす献立が脚光を浴びているからだ。少し前までは、タンパク質サプリメントはフィットネスセンターのいわゆる「モムチャン(マッチョ)」たちが愛用する健康補助食品で、粉末を水で解いて飲まなければならないので煩わしく、おいしくもなくて飲むこと自体が苦役だった。ところが、食品会社が参入し、食べやすく味も良い製品があふれ始めた。
フードテックスタートアップパープルゴリラ(Purple gorilla)は最近、「プロテインウォーター」(製品名:ボディプレイ)を出した。ほとんどのタンパク質飲料がとろみのあるヨーグルト製品を中心になっていることを考慮し、水のように飲みやすいタイプで開発したのだ。果物のカラマンシー味、木イチゴ味などで甘くてほろ苦い風味を加えた。パープルゴリラの関係者は「体型管理に大衆的な関心が高まり、水分とタンパク質の補充が一度に可能な機能性飲料を作った。今後スポーツ・イオン飲料市場を席巻することになるだろう」と話した。
ロマンシブ(Romansive)も「睡眠」をテーマにした機能性飲料(製品名:リチェラ(Lichera))を今年1月に発売し、眠気覚ましドリンク市場に挑戦状を突きつけた。L-テアニンと呼ばれるアミノ酸が豊富で、入眠時間が短縮され、睡眠ホルモンメラトニンを合成するトリプトファン、ビタミンB、マグネシウムなどが豊富で、睡眠の質を改善できるという説明だ。
ロマンシブのイ・スヒョン代表は「眠れない現代人が増え続け、今後睡眠サポートドリンクが最も広く定着することになるだろう」と話した。国民健康保険公団によると、国内睡眠障害患者は2020年67万人を超えた。睡眠障害患者が2016年から年平均7.9%ずつ増加してきた。
しかし、依然として国内では高カフェイン飲料がよく売れているのが実情だ。イ代表はこれに対して「リチェラ1回分摂取後、消費者の睡眠効果を調査した結果によると、51.5%が『ぐっすり寝た』という反応を示した。今後睡眠サポート機能性飲料がコンビニなど市中で簡単に入手できる流通ルートに乗れば眠気覚ましドリンクより睡眠サポートドリンクを求める消費者がさらに増えるだろう」と話した。
ソウル大食品栄養学科のイ・ギウォン教授(韓国フードテック協議会共同会長)は「人の食べ物の摂取方法が、疾病予防に役立つ栄養成分を中心に再加工された食材、よく眠れる飲み物など個人の好み、食べ物の価格、ライフサイクルおよび疾患などによって変化し続けている。フードビジネスもこれに合わせて今後多様な形態に進化するだろう」と展望した。
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