ソウル・梨泰院(イテウォン)での雑踏事故を受け、弘大(ホンイク)、江南(カンナム)などの人口過密地域でも、同様の事故が起きるのではと危惧する声が上がっている。梨泰院の現場と同様に狭い路地が随所にあり、多くの人が一度に集まる懸念があるとして、住民や商店主らが不安視している。梨泰院事故以降、ソウル市は流動人口で密集する地域を対象に緊急安全点検に乗り出した。
地下鉄2号線の弘益大学入口駅。8番出口から地上に上がるとKT&G想像広場までは、食堂、服屋、カラオケ店などがずらりと並んでいる。梨泰院の現場のように、幅が4メートルにも満たない細い路地が多く、不法増築物とみられる構造物も目立つ。
友達と弘大をよく訪れるというユさん(26)は不安げに語る。
「週末には道路の70%くらいは人でいっぱいになり、人が多い時は歩くのも大変。クラブや飲み屋が集まっているところは人が多すぎて危険と思うことがしばしばある。そんな人が集まる時でも、安全確保のための警官らが配置されるのは見たことはない。パトカーが数台通り過ぎるのを見たくらい」
弘大を訪れたヤンさん(20)も「地下鉄2号線の弘大入口駅は、週末になると人が殺到し、安全が心配になる時がある。人が多い時は最初から2号線に乗らずに他の路線に乗って家に帰る」と話した。
梨泰院事故以降、江南駅周辺の商店主らからも「人が多く集まる場合は、事故の予防対策が必要だ」との声が上がる。江南大路で居酒屋を経営するキムさん(45)は「これまであまり危険だと感じることはなかったが、梨泰院事故が起きて以降、他人事ではないという気がしてきた。江南駅付近は梨泰院と違って急な坂道はないが、店が地下にある場合が多い。ここで同じようなことが起こらないとは限らない」と心配げに語った。
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