韓国のムン・ジェイン(文在寅)前大統領側は5日、大統領時代に北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記から贈られた豊山犬3匹を国家に返却すると、行政安全省に通知したという。
豊山犬は2018年9月18日、平壌の木蘭館(モクラングァン)で開かれた第3回南北首脳会談の歓迎晩餐会に先立ち、キム・ジョンウン総書記夫妻がムン氏夫妻にプレゼントを約束し、同月27日、韓国政府が板門店を経て受け取った。
メスの「コミ」とムン氏が飼っていたオスの「マル」の間に7匹の赤ちゃんが生まれ、6匹を養子縁組させ、「タウニ」だけが青瓦台に残っていたが、ムン氏の退任とともに慶尚南道(キョンサンナムド)梁山(ヤンサン)の私邸に連れて行った。
ムン氏側が事実上、離縁通知をしたのは、月250万ウォンにのぼる管理費を誰が負担するかをめぐって見解の相違が生じたためという。
退任直前、ムン氏側とユン政権側は▽豊山犬を管理するのに必要な経費を予算として支援できる▽行政安全省は委託対象の飼育と管理に必要な物品・費用を一般的な委託基準による合意により予算の範囲内で支給できる――などの協約書を交わした。
これに対し、同省はは1カ月当たり飼料代35万ウォン、医療費15万ウォン、管理用役費200万ウォンなど計250万ウォン程度の予算案を作成したが、省内と法制処などで反対意見があり、実行に移すことができなかった。
これに対し、ムン氏側は「これら豊山犬が法律上、大統領記録物である国家財産であるため、再び連れて行くように」と伝えたという。
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