156人の命を奪ったソウル・梨泰院(イテウォン)雑踏事故当時、「どうか助けてください」と泣き叫び、人波を他の方向に誘導した警察官がいた。すべての人が必死の努力をしたにもかかわらず、「多くの方々が亡くなって……」と頭を下げた。
龍山警察署梨泰院交番所属のキム・ベクギョム巡査部長は3日、KBSラジオで当時の状況について説明した。
「到着してみると、多くの人が現場を携帯電話のカメラで撮影していて、悲鳴とざわめきが聞こえた。いったい何が起こったのか、と思って人波を突き抜けて入ってみると、人波に押された方々が手を伸ばして助けを要請していた」
「下敷きになっている方々に荷重がかかり続け、救助活動が難航していた。これ以上、圧力が加わらないよう人波を散らすため、同僚の男性警察官とともにハミルトンホテルの裏通りに走って行った」
その時、「人が死んでいます。どうか助けてください」と泣き叫ぶ姿が撮られたという。
キム巡査部長は「その時、私たちの求めに応じて、多くの方々が指示した方向に移動して、救助できる空間が確保できた」と市民の協力に感謝した。
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