2024 年 11月 28日 (木)
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髪を乾かすと病気になりそう…娘たちのために作った革新ドライヤー (上)

Startup Story ~~ 成功のカギ

「純粋な風(SOONSOO BARAM)」 キム・ミンス代表

「純粋な風」ドライヤーから出る電磁波を測定した結果、本体から7.6mG、ハンドルからは5.1mGに止まった©MONEYTODAY

「純粋な風」のキム・ミンス代表は2013年、妻に先立たれた。娘が2人、息子が1人いた。当時6歳(二卵性双生児)、3歳と幼かった。妻の病は脳卒中だった。そのころ、「電磁波が脳卒中の原因になる可能性がある」という記事を偶然目にした。「娘たちの髪を乾かしているドライヤーから、電子レンジよりも多くの電磁波が出ることを知ってびっくりしました」

キム・ミンス代表は電磁波測定器を取り出して、実際に稼動するドライヤーを密着させた時、電磁波が500mG(ミリガウス・電磁波測定基準)近く出ることを確認し、このように話した。電子レンジの場合、密着時に150~200mGレベルであり、30センチ離すと8mGに低くなると説明した。ドライヤーも30センチ離すと7mGに低くなるが、一般的に密着して使用するというのが問題だ。

電気工学を専攻したキム代表は東亜ソシオグループで17年間、開発・生産・CS(顧客サービス)業務などを担当した。創業は考えもしなかった。ヘアドライヤーも娘たちの髪を乾かすために初めて使った。子供たちが熱い風を嫌ったので、ドライヤーの内部を開けてみた。キム代表はパンドラの箱を開けたわけだった。

一般的なドライヤーは、ニクロムコイルを加熱した後、モーターでファンを駆動するという原理だ。電磁波は、ニクロムコイルを加熱する過程で発生する。また、ヘアドライヤーを長時間使用すると、100度以上に温度が上がるが、外部ケースに伝わる熱を最小化するために絶縁材として使用するガラス繊維カバーから微細粉塵やラドンなどの有害物質が発生する。

「子供たちに安全なドライヤーを開発し、父親のプレゼントとしてあげたかった。2014年に特許を出願し、試行錯誤を繰り返して、2017年、青年創業士官学校に選定され退社し、本格的な開発に入りました」

キム・ミンス代表はこう振り返る。

「純粋な風(SOONSOO BARAM)」のキム・ミンス代表©MONEYTODAY

◇電磁波・微細粉塵・ラドンを握った安全なヘアドライヤー…ペット用も発売予定

2017年4月に設立された「純粋な風」は翌年、電磁波、微細粉塵、ラドンの3種類の有害要素を捉えるドライヤー「ピュアリズム」を発売した。

ピュアリズムには、従来のドライヤーを動かしていたニクロームコイルとガラス繊維カバー、一般直流(DC)モーターの代わりに、独自開発したアルミニウム素材のセラミックヒーターと、過熱防止のための遠心型ユーロライン、半永久的に使用できるBLDC(Brushless)モーターを使用し、電磁波と微細粉塵の発生を最小化した。

価格が10万ウォン台のプレミアム級なので、初の量産は200台だけ作ることにした。ワディズ(wadiz)でファンディングしたところ30分で売り切れるほど、需要が大きかった。以後、ユーザーの意見を集約し、製品をさらに改善した。今月末に発売する新製品「LEDスマート頭皮ドライヤーピュアリズムゼロ」には毛髪や頭皮ケア機能があるLED(ロングタームエボリューション)近赤外線まで適用した。「純粋な風」の主力製品だ。

キム代表はインタビュー中、実際のピュアリズムドライヤーの電磁波を測定して確認してみせた。本体から7.6mG、ハンドルから5.1mGが出た。他社製品の本体から493mG、ハンドルから114.6mGが出たのとは対照的だ。

©MONEYTODAY

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