韓国の薬局で、冬場に風邪薬が品薄になるのでは、という懸念が持ち上がっている。ソウルの薬局では風邪薬の需給が不安定になっているとの指摘も出ている。
処方せんなしに薬局で買うことのできる一般医薬品は、韓国ヤンセンのタイレノール、テウォン製薬のコールデウォン、同和(トンファ)薬品のパンコール、東亜薬品のパンピリン――などがある。防疫当局や医療界では、インフルエンザをはじめとする呼吸器感染症が今冬、新型コロナウイルスと同時に流行する可能性があるという見通しが出ており、今後、需要が増加する可能性が提起されている。
ただ、一部の薬局では時間帯によって風邪薬の在庫がない場合もある。ソウル市麻浦区に居住する30代女性は「平日夕方に家の近くの薬局やコンビニに行ったら風邪薬の在庫がないという。風邪薬を探す人が多くなり、時間帯によって在庫の状況が変わる可能性があるという説明を聞いた」そうだ。
製薬業界によると、風邪薬の品薄現象は発生していない。今年初め、オミクロンの流行で在宅治療が一般化し、「風邪薬大乱」によって随所で品薄現象が起きた。ただ、その後は供給に支障はないことが確認された。
業界関係者は「平年より風邪薬の需要が高いが、今年初めほどではない。需要増加に備えて工場稼動を最大化しており、原料確保なども準備をしている」と話した。
食品医薬品安全処は最近、風邪薬の生産を促すため、メーカーの要求事項を受け入れることにした。これにより、解熱鎮痛剤の主成分を複数認め、調剤用風邪薬は少量包装義務を解除する。
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