出動した消防車が進入できなかったり、進入しにくかったりする場所が、韓国全土で800カ所余りに達することが分かった。長さにすると、ソウル~釜山間(325キロ)を越える。このうち4カ所に1カ所の割合で消火器も設置されておらず、改善策を徹底するべきだとの指摘が出ている。
韓国消防庁が与党「国民の力」のチョ・ウンヒ議員(国会行政安全委員会所属)に提出した国政監査資料によると、消防車進入不可または困難な地域は883カ所(444.856キロ)に達した。進入不可が18%の155カ所、進入困難が82%の728カ所。ソウル・釜山など大都市が全体の半分(52.5%)を占めた。
該当する地域を用途別に見ると、住居地が627カ所(71%)、商業地が168カ所(19%)、農漁村が57カ所(6.5%)、工業地が29カ所(3.3%)だった。
進入不可地域が多い住居地は、小規模な住宅が密集する地域が多く、火災が起きた場合、被害拡大が懸念される。進入不可・困難地域の中で、木造密集地域は521カ所(59%)、零細密集地域は50カ所(5.7%)だった。
消防当局は「道路の拡張、路上の障害物除去、急傾斜・急カーブ区間の改善を地方自治体に要請するなど、出動経路を確保するために努力している」とする一方、「消防隊が到着する前に住民たちが直ちに非常消火装置を活用して鎮圧できるよう住民への教育も進めている」としている。
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