2024 年 12月 24日 (火)
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韓国の来年のキーワード『RABBITJUMP』…「平均失踪」「オフィスBIGBANG」注目

ソウル市麻浦区のMブックカフェで「トレンドコリア2023」出版記念の記者懇談会を開くソウル大のキム・ナンド教授©news1

ソウル大学消費者学科のキム・ナンド教授が5日、オン・オフラインで開かれた「トレンドコリア2023」出版記者懇談会で、「景気低迷などに伴う不景気が予想される来年の(代表的な)消費キーワードを『ラビットジャンプ』(RABITJUMP)に決めた」と紹介した。キム・ナンド教授はこれまで15年間、その翌年の消費トレンドを展望してきた人物。

キム教授は「黒いウサギの年を迎え、『狡兎三窟 (こうとさんくつ)』(身の安全のために、数多くの避難場所や多様な策を準備しておくこと)の知恵で、ウサギのように飛び跳ねなければならない、という意味を込めた。来年のように景気が良くない方向に変わろうとするとき、より敏感にトレンドに対応しなければならない」と強調した。

キム教授は来年の10のトレンドキーワードを提示した。

まずは「平均失踪(Redistribution of the Average)」。キム教授は「両極化と単極化のほかにも趣向が幾多に分かれているN極化が深刻化し、年が経つにつれ通常の平均の基準が無意味になっている」と説明している。「平均が行方不明になる時代に、われわれがすべきことは、より正確に市場を見ること。多数を対象とするマスマーケットより、ターゲットを明確にすることがより重要だ」と強調した。

次に、新型コロナウィルの影響で目立った「オフィスビッグバン(Arrival of a New Office Culture: Office Big Bang)」にも注目した。「役員昇進」だけを目指していた過去の職場文化に別れを告げるべきだという意味だ。パンデミック以降、職場への復帰を拒否したり最小限の仕事だけをしようとしたりする職場人が増加する現象が、これを傍証する。

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キム教授は「米国では『大辞職時代』という新造語が作られ、韓国の場合も入社3年以内の離職率が史上最高になった」と指摘。「役員になるため職場に骨を埋めて一生懸命に働く職場文化は今や昔」と診断した。

そのうえで「報酬引き上げ、適合型福祉なども必要だが、若いサラリーマンに最も重要なことは、組織内で成長すると感じることだ」と強調した。

また、SNSなど他人とコミュニケーションできる道具が多様化しており、目的指向的な出会いが重要視される「インデックスの関係(Buddies with a Purpose: Index Relationships)」も主要なキーワードだ。キム教授は「人間関係で『密度』より『スペクトル』が重要になっている。これは消費の領域のみならず、韓国社会を大きく変えられるキーワード」と話した。

さらに、「ネバーランド・シンドローム(Peter Pan and the Neverland Syndrome)」にも注目が必要だ。キム教授は「若さを美化し、偶像視する雰囲気が強まっている。このような傾向について、日本では『全国民が幼稚化している』との批判も出ている。韓国もこのようになるのがないかと憂慮する声がある」と診断した。その一方で「高齢化が深刻な状況で、若い熱情を持って生きるならば、社会の老衰化を防ぐ効果を期待できると思う」と指摘している。

キム教授は、Z世代に続く「アルファ世代の登場(Jumbly Alpha Generation)」についても「2010年以降に生まれ、100%デジタル世代といえる人々が、次第に社会の主役になっている」と伝えた。

このほか、来年の10大キーワードに含まれているのは次の五つだ。

〇最大限、質素に消費する戦略的消費者を意味する「チェリーシューマー(Cherry-sumers)」
〇買わずにはいられない商品を発売する「ニューデマンド戦略(New Demand Strategy)」
〇自分が好きなことに金と時間を惜しみなく投資する「ディギングモメンタム(Digging Momentum)
〇要求する前に先回りして配慮してくれる「先制的対応技術(Proactive Technology)」
〇魅力的なコンセプトやテーマを備えた「非日常性」を提供する「空間力(Magic of Real Spaces)」

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