「AMAZON GO」触発、無人店舗の大衆化
技術発展に伴い、韓国の産業界の各分野で自動化が加速しています。自動運転技術が発展し、自動車や各種ロボットに続き、船舶や建設機械まで無人システムが広がる雰囲気になっています。現状を取材しました。(最終回)
無人店舗の大衆化時代を切り開いたのは、米インターネット通販最大手アマゾン(AMAZON)が披露した「アマゾン・ゴー(AMAZON GO)」だ。アマゾンは米シアトル本社にアマゾン・ゴー1号店を開き、店員を対象に試験運営を経て2018年1月から一般消費者に拡大した。
アマゾンの無人決済システムである「Just Walk Out」はカメラ、センサー、コンピュータビジョン、ディープラーニングなどを活用して販売商品を識別し、自動的に決済できるよう支援する。消費者はレジに並ぶ必要なく、品物を持って出るだけだ。現在、アマゾン・ゴーは米全域に約30店舗があり、食料品店売り場「アマゾン・ゴー・グロサーリー(Grocery)」、大型マート「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」まで登場した。
アマゾン・ゴーの成功により、流通市場で無人店舗の事例は次第に拡散している。
米オフラインマーケット大手ウォルマートも「Sam’s Club Now(サムズクラブ・ナウ)」を通じてアマゾンを追撃中だ。米ダラスにオープンしたこの売り場は、700台のカメラを設置して商品をスキャンし、カートに入っている商品は「Scan & Go」アプリケーションを通じて自動的に決済する。
倉庫型売り場は広いうえに物が多くて探すのに時間がかかるが、アプリケーションの地図と音声案内サービスを通じて売り場の商品の位置を正確に見つけることができる。
中国も無人店舗市場への進出に積極的だ。中国を代表するIT企業のアリババは、無人コンビニ 「淘(Tao)カフェ」と水産物、野菜など生鮮食品無人売り場「盒馬鮮生」などを運営している。中国全域で200店以上の店舗があるという。国内でもキオスク(無人注文・レジ)を通じた注文が急速に増えている。
物流産業もロボットとドローンが荷主の役割を果たしている。
アマゾンは10年前、倉庫用自動化ロボット企業「キバ・システムズ(Kiva Systems)」(現アマゾンロボティクス)を買収し、現在、世界の物流センターで35万台以上のロボットを運用し、物流センターの自動化に積極的に取り組んでいる。ウォルマートも物流センター自動化企業「シンボティック(Symbotic)」などと提携し、関連設備投資を増やしている。
また、配送でもアマゾンは2019年からワシントン、カリフォルニア州などで自動運転配送ロボットを通じた近距離配送「スカウト(Scout)」をテスト運行している。スカウトは四角い胴体に物品を積んで車輪6個で歩道を走る。ウーバーイーツも先月、カリフォルニアでロモット食品の配送モデル事業を開始した。ドローン配送もアマゾン、グーグル、ウォルマートなどが導入した。
◇止まらない無人化の流れ
無人化の流れは今後、多様な形で、われわれ人間に関わってくる可能性が高い。
自動運転技術が代表的だ。米自動車技術者協会(Society of Automotive Engineers=SAE)は自動運転技術を0から5まで計6段階に細分化して定義したが、現在テスラの自動運転技術であるFSD(Full Self Driving)は、レベル2の水準だ。まだドライバーの積極的な介入が必要だが、今後事故責任に対する議論が本格的に展開されれば、自動運転システムも本格化する可能性がある。
同時に、精密な作業が必要な外科手術用ロボット、コーヒーなど飲料製造ロボットなども産業現場で活発に活用されている。
人件費を削減しなければならないという現実を前にして、無人化の流れは止まらない。
中国の場合、農家の高齢化で農業用ドローンの活用が促進されている。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の中国湖南省長沙貿易館の分析資料によると、昨年、中国農業ドローン市場の規模は28億63000万元で、前年比124.2%成長した。農村の人手不足に伴う中国政府のスマート農業支持政策により、農業ドローン市場は安定的に発展。2025年にはその規模が115億人民元に達する見通しだ。
(おわり)
「無人時代」はNEWSISのパク・ジョンギュ、ホン・セヒ、シム・ジヘ、キム・ドンヒョン、イ・インジュンの各記者が取材しました。
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