台風11号が朝鮮半島を横断した際、韓国の半地下に住む人たちの多くが不安に怯えながらの夜を過ごした。
今月6日、ソウル市市冠岳区(クァナック)新林洞(シンリムドン)の半地下住宅。一帯には、台風による大雨に備えて保管されていた砂袋と遮水板があちこちに設置されていた。
わずか1カ月前、中部地方を襲った大雨で浸水被害に遭った住民らは、台風により、再び大雨被害に遭うのではないかとおびえながら台風の状況を見守った。
新林洞に20年以上住んでいるというパクさん(35)は、台風北上のニュースに触れた当時、「4時間しか眠れなかった」という。大雨被害で自身が持つバイクが水浸しになったという。
「ここで20年間暮らしてきたが、大雨被害の時のように水に浸かったことは過去にはなかった。今回、台風が近づいた時も不安だった。トラウマになっているようで、雨が降ると不安でならない」。パクさんはこう吐露した。
新林洞に住むチョさん(29)は台風の知らせを受け、急いで帰宅した。「大雨の時には雨が突然、たくさん降ってきて、手を打つ間もなく家の中に水が入ってきた。台風の際にも大雨が降るのではないかと心配でゆっくり眠れなかった」という。
新林洞の半地下暮らしの住民は、一部が豪雨被害を受けて、引っ越しせざるを得なかった。相当数の半地下の部屋には浸水被害の爪痕が残されたままだった。「半地下で祖母と子供2人で一緒に暮らしていたが、豪雨被害に遭って引っ越した。近所の半地下の部屋の住民たちは、ほとんど引っ越して空き部屋になった」(パクさん)という。
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