韓国が秋夕連休を迎え、5人の作家が推薦図書を共有した。今年のブッカー賞候補チョン・ボラ、パク・サンヨン、チョン・ジウム、チョン・ジドン、イ・フォンの人気作家5人が「読む価値のある3冊」を推薦した。文学と非文学を行き来する多様な本で、時代の風景を見ることができる。
◇チョン・ボラ:「第5回韓国科学文学賞受賞作品集」(ハッブル)、「パンデミック、6つの世界」(文学と知性社)、「キパ」(ハッブル)
▽「第5回韓国科学文学賞受賞作品集」は、最も韓国的で最も宇宙普遍的な若い作家たちの真に輝く物語を発見できる。韓国SFの現在と未来を見る機会だ。
▽「パンデミック、6つの世界」は新型コロナウイルスを含め地球を覆った色々な災難に対する多様な視線を集めた。悲しみと絶望と挫折、その中でも続く人間に対する希望と愛、笑いと慰めがある。
▽「キパ」は骨太の物語を読みたい人におすすめだ。病気にかかり怪我をして死ぬしかない弱い存在である人間を、無慈悲な資本主義社会がどのように扱うのかに対する鋭い問題意識が際立つ。
◇パク・サンヨン:「夏に私たちが食べるもの」(文学トンネ)、「水面下」(文学トンネ)、「Hマートで泣く」(文学トンネ)
▽「夏に私たちが食べるもの」の「今日の家族」という短編を見れば、家族関係の悲しみと喜びを見ることができる。
▽イ・ジュランの「水面下」の穏やかに続く日常の波紋。じっくりと昨日を振り返るのに最適だ。
▽「Hマートで泣く」は家族と喪失、食べ物と文化が総網羅された強力なエッセイ集だ。まさに「節句」の風景に似ている。
◇チョン・ジウム:静止画:「没入」(ハンウリム)、「仕事帰りの心」(ビッグフィッシュ)、「嘘の人々」(ビジョンとリーダーシップ)
▽「没入」は一生懸命生きているのに空虚な感じがする時、人生の意味を振り返るのに適した本だ。「私はなぜ生きるのか」「これからどう生きるべきか」と漠然と悩んでいる方々にお勧めする。
▽「仕事帰りの心」は毎日地道に働く心に対するエッセイだ。連休が終わって再び仕事場に戻らなければならない人たちにおすすめ。復帰する気持ちが一段と軽くなるだろう。
▽「嘘の人々」は「悪人たち」に対する観察、診断、分析が入っている。読んでから頭の中に浮かぶ人が多くなる。もちろん、その中には自分自身もいる。世の中を理解するのに役に立つ本だ。
◇ジョン・ジドン:「私たちが世界を理解するのを止める時」(アングラフィックス)、「部分と全体」(サーカス)、「量子革命」(カササギ)
▽「私たちが世の中を理解するのを止める時」は数学と科学が一般的な理解の次元を越える何かにぶつかる時、学者たちにどんなことが起きるのかを美しく叙述した本だ。この本とともに、残りの本を読めば、世の中を理解するには届かなくても、少なくとも量子力学を巡ってどんな変化が起き、今も起きているのかは理解できるようだ。
◇イ・フォン:「新しい気持ちで」(ヘアム)、「職業戦線」(春の日の本)、「生きることなんてないのに」(心の散歩)
▽作家イ・スルアの「新しい気持ちで」は普段私たちが注目しない隣人の労働を鮮明に覗き見る。読みながら何度も涙が出た。1冊のインタビュー集さえ持てば、迷わずこの本を選ぶだろう。
▽「職業戦線」は生活と人生がどれほど緊密に連結されているのかもう少し細かく想像できるようになった。1冊でこんなにたくさんの職業に会えるなんて。その重要な話をけらけら笑って読めるなんて。
▽「生きることが何だと」を読んで「一人称で私の生活をこのように魅力的に発信できたら」と考えた。一日中、この突拍子もなくかわいくて多感なおばあさんの話を聞きたい。読むほどに生きる気力が湧く。
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