現場ルポ
高速道路のサービスエリアも状況は同じだった。
旅行3日目、原州から約160キロを移動した軍威では、適当な充電スタンドを見つけられず、ソウルに向かう高速道路に進入した。最初のサービスエリアである洛東江亀尾サービスエリアに到着すると、充電スタンド2つに電気自動車4台が待機中だった。バッテリー30%、走行距離150キロだけを残した時点だったので、気をもみながら次のサービスエリアである聞慶(ムンギョン)へとハンドルを回した。
聞慶サービスエリアには、現代自動車が運営する「イーフィット」充電スタンドがあり、充電器は多かったが、待っている車も多かった。すべての充電器が使用中で、3台が待機していた。これ以上は走行が不可能だと判断して、20分近く待った後、充電することができた。
バッテリー容量を20%台から80%まで満たすのにかかった時間は約1時間。費用は2万5159ウォン。前日、体育センターの駐車場で充電した費用と時間を合算すれば、計1時間20分に3万2159ウォンだ。ガソリン価格がリットル当たり1800ウォンを超える時代に、2泊3日間で充電費として使った額は3万ウォンのみだ。
ただ、その差額は時間でまかなわれたものだ。充電スタンドを探し回り、到着して待機する時間と充電時間まで含めると、給油に比べてはるかに長くかかった。
旅程に、充電所に行く時間と、充電所要時間を含めるのは、なかなかの負担だ。アプリで充電所の予約も可能だが、交通渋滞などの多い休暇シーズンには、それも容易ではない。
サービスエリアで食事をしながら待つことができたが、ここですら充電時間が予想より長くかかった。当初、急速充電(100キロワット)の場合、充電所要時間が45分と予想されたが、実際は充電速度が40~60キロワットで、1時間かかった。
充電業者は超急速(350キロワット)・急速充電器数台を設置し、総量を1000キロワットに制限する。車がそれほどない時は問題にならないが、車が増えた場合、実際の充電速度を各台ごとに下げて1000キロワットのラインに合わせる。
現行法に基づき、電気自動車充電スタンドの容量が1000キロワットを超える場合、設備所有者は電気安全管理者を選任し、常駐させなければならないからだ。
しかし、事業主らは費用負担を嫌がり、このような便法を使っている。需要が集中する時間帯やオンシーズンのように混雑する時期には充電速度がさらに落ちるわけだ。
急がれるのは、電気自動車技術だけでなく、充電インフラの問題解決だ。
韓国政府は今年、充電スタンド6万台を追加設置し、計16万台に増やす方針だ。だが、単に充電器の数を増やすより、充電インフラや電力需給、安全技師の常駐問題などの規制緩和も考える必要がある、というのが自動車メーカーの見方だ。
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