現場ルポ
今夏の流行ファッションが一堂に集められたソウル・東大門ファッション問屋。
そこに入るやいなや、気に入った夏のワンピースを手に取る。目の前にスカートの裾を近づけ、ぐんぐん伸ばしてみる。手に当てて透ける程度を見て、両手の指の間からワンピースをそっとこすりながら厚さまで察する。
同僚に意見を聞く。5分間もこうした作業が続く。話が終わったかと思うと、衣類のサンプルがほしい、と求める。
サンプルを持ち帰って、翌日には会社で「販売に適した商品なのか」を同僚とのさらなる議論に臨まなければならない。
商品に厳しい視線を向けるこの人たちは――韓国ロッテのオンラインショッピングモール「ロッテオン」トレンドファッションチームだった。
◇徹底した現場の調査
東大門ファッション商店街にいたのは、ロッテオントレンドファッションMDのキム・ヨンチュン氏。ロッテオンで新たに販売する製品選びの真っ最中だった。
「この服はどこに行けば仕入れられますか?」
キム・ヨンチュン氏が助言を求めた相手は、ほかでもない、自身が所属するロッテオンに入店するトレンドファッション企業「ITSOODA(イットスーダ)」のチーム長、カン・ミンジョン氏だった。
この2人はロッテオンの「スタイルON」で販売するプロジェクト商品を一緒に企画している。
スタイルONの売り場は、女性の衣類、靴、バッグ、アンダーウェアなど、さまざまな東大門トレンドファッション商品を集めて販売する専門館だ。
東大門のトレンドを一度にショッピングできるというメリットがあり、コンセプト別、カテゴリー別、ブランド別などにキュレーションして商品を提案している。
「ITSOODA」は今年からロッテオンと連携しながら、最初の月だけで1億ウォンの売り上げを達成した。ロッテオン内でも売り上げの上位を占めているITSOODAは、ロッテオンと共同で週1回、ヒット商品プロジェクトを進めている。
本格的に服を仕入れる前に、キム・ヨンチュン氏とカン・ミンジョン氏はA4判用紙数十枚を取り出し、訪問する店舗リストをまずチェックした。
キム・ヨンチュン氏は「広くてたくさんある東大門ファッション商店街をくまなく歩き回るのには、2日でも足りない。ロッテオンであらかじめ、よく売れるデザインや、よく検索されるキーワードを分析したうえで、買うべき衣類リストを作る。ロッテオントレンドファッションが多くの消費者に選ばれる秘けつだ」と胸を張った。
キム・ヨンチュン氏が重点的に調べるのは、韓国で認証された工場で作った国産衣類を扱う店舗。「『オープンマーケットで販売する衣類は品質が低い』という偏見を破るための努力の一つだ」と意気込む。
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