2024 年 11月 30日 (土)
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[KWレポート] 「ワーケーション」は定着するか (1)

世界どこでも旅して、働ける

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仕事をしながら休暇も同時に楽しむ「ワーケーション」(Work & Vacation)が新たな福利厚生として脚光を浴びています。休養地に拠点となるオフィスと宿舎を整え、交通費や生活支援金まで提供する企業もあります。韓国での現状を取材しました。(シリーズ1/4)

◇各社、多様な制度

リモートソリューション開発「アールサポート(RSUPPORT)」に勤めるAさんは、年次有給休暇を使うことなく「1カ月の釜山(プサン)暮らし」をしている。

松亭(ソンジョン)海水浴場まで2分の距離の拠点オフィスで働き、仕事が終われば、ランドリーやフィットネスセンターなどを備えた宿舎で休息を取る。

海を眺めながら仕事し、退勤後には釜山のおいしい店を探訪できた。

通信アプリ大手「LINE」でエンジニアとして働くBさんは、家族とともに「デジタルノマドライフ」に挑戦するため、済州島でリモート勤務をした。

島で働いている間、海辺の散歩や休息など、家族と一緒に過ごす時間が増えた。会社が支給する「リモート勤務支援金」の月額17万ウォンも済州暮らしには大きな助けとなった。

ネット大手ネイバーの10人は、7月4日にオープンした江原道(カンウォンド)春川(チュンチョン)研修院で4泊5日のワーケーションをした。

週に10人だけが選ばれる。競争が激しい。会社は海外のワーケーション地域として、東京ベースキャンプも準備しており、地域の拡大も検討している。交通費支給など詳細なガイドラインも準備する予定だ。

宿泊予約プラットフォーム「ヤノルジャ(Yanolja)」の120人は最近、江原道東海(トンヘ)と全羅南道(チョルラナムド)麗水(ヨス)で1週間、ワーケーションした。会社が用意したホテルや食事、レジャー施設を利用し、ソーシャルディスタンスで滞っていた職員同士コミュニケーションの回復にも役立ったという評価だ。会社は地域のカフェを事務空間として貸与し、職員に仕事と休息を同時に楽しめるようにした。

ソーシャルコマース企業「ティモン(TMON)」の50人は済州島、慶尚南道(キョンサンナムド)南海、釜山の3カ所で、4泊5日間働きながら旅行を楽しんだ。同社は先月「ザ・休日」と名付けたワーケーションプログラムを実施し、職員に宿泊費や往復交通費を支給した。

ロッテグループ「ロッテメンバーズ」の10人余りも最近、済州島で1週間、リモート勤務した。月曜日から木曜日までの4日間働いた。フレックス制で、1日6時間の最小限の勤務を終えれば早期退勤が可能で、旅行日程を計画するのに最適だった。1時間半の昼休みの間も海辺のカフェや近くの樹木園の中で静かに休息を取ることができた。

ウェブ小説・コミックの大手「キダリスタジオ(Kidari Studio)」と、ウェブコミックサービスを運営する「レジンエンターテインメント(Lezhin Entertainment)」の職員は、進出先の日本や米国、タイ、ドイツ、フランス、スペイン、台湾など7カ国・地域でワーケーション制度を利用できる。職員は年1回、休暇を含めて最大4週間まで利用可能で、会社は航空運賃実費の50%を支給する。

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◇「われわれこそ、元祖」

海外ワーケーション制度は、米大手宿泊仲介サイト「Airbnb」や体験予約サイト「KLOOK」など、グローバル旅行プラットフォーム企業がまず導入し、展開を主導している。世界を対象にする事業の特性上、海外ワーケーション制度の定着へのハードルが高くないようだ。

Airbnbは、国内で許容していたワーケーションを9月から170カ国以上に拡大し、年間最大90日間利用できるようにした。給与水準が低い地域で勤務していた人は、高い方の基準に合わせられ、引き上げられた給与を受け取る。

Airbnbの共同創業者であるブライアン・チェスキーCEOは「どこでも自由に仕事のできる柔軟性が、驚くべき創意性と革新を呼び起こし、職員がAirbnbで仕事をすることを本当に楽しくすると思う」と述べた。

KLOOKの職員は、勤務日基準で最大30日間、世界のどこででも仕事と旅行を一緒にすることができる。

P&C(People and Culture)部門のキャリー・シェック副社長は「KLOOKは机に縛られたブランドになるより、職員全員が旅行者として世界どこでも旅行して働けるワーキング制度を導入するようにした。KLOOK職員は給与をそのまま受け取りながら仕事ができる」と説明している。

(つづく)

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