2024 年 11月 25日 (月)
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「Googleパワハラ」初の犠牲者…カカオは白旗

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スマホ用アプリの課金をめぐる米大手Googleと韓国大手カカオの対立が新たな局面を迎えた。Googleがインアプリ決済を義務化したところ、カカオが拒否。ウェブ決済のための外部リンクを維持してきた。だが、Google側が対抗措置としてアプリのアップデートを中断すると、カカオの利用者が不便を強いられる形となり、結局、カカオはGoogle側の要請を受け入れ、事態の収拾を図った。

ただ、今回の問題を受け、主管機関である韓国放送通信委員会は、Googleの行為が「インアプリ決済強制禁止法」(Googleパワハラ防止法)違反の可能性があると判断し、実態調査に乗り出す構えを見せている。

◇「円満解決のために努力する」

Googleは4月からインアプリ決済政策を始め、Google Playに登録されたアプリの開発者がアプリ内に外部リンクを設けることを禁止している。つまり開発者が、自身の決済システムに利用者を誘導するという行為を阻止しているのだ。

カカオはこうした方針に対抗し、Googleの基本ソフト(OS)「Android(アンドロイド)」にあるカカオトークのアプリ内に、ウェブ決済のための外部リンクを維持してきた。Googleはこれを問題視し、先月30日公開のカカオトーク最新バージョンのアップデートをGoogle Playストアで中断した。

この措置を受け、カカオは代替手段として、Google Playを使わずに直接、カカオトークのAndroid版アプリ設置ファイル(APK)を配布する方法を取った。利用者に対し、モバイルを使って「Daum」ポータルで「カカオトーク」を検索し、最新バージョンを設置するよう案内してきた。

こうしたカカオの「反旗」により、インアプリ決済問題が激化した。放送通信委員会は7日午後、Googleコリアやカカオ関係者と面談。両社は結論を出さなかったものの「円満解決に向けて努力する」とは表明していた。

結局、カカオは13日、外部リンクを削除することにし、Google側にアップデート承認を要請すると発表した。アップデート中断から13日での決定だ。

カカオ関係者は「利用者の便宜を最優先に考え、決定を下した。多様な決済オプションを知らせるために最善を尽くしてきたが、最新バージョンアップデートができないことによる不便さを長期化させるわけにはいかない。外部リンクを削除することを決めた」と明らかにした。

カカオのオフィス(同社提供)©news1

◇違法行為の点検を推進

放送通信委員会は今年5月17日以後、アプリマーケット事業者を対象に、インアプリ決済強制禁止法違反に対する点検を進めている。Googleの違法行為が認められた場合、実態調査に入ることになる。同委員会は近いうち、こうした点検を終える予定だ。

今回のGoogleによるアップデート拒否が既に、違法行為と認められている可能性がある。カカオはGoogleの措置によって外部リンクを削除するとともに“違法行為の証拠”を示す形となったわけだ。

実態調査により、違法行為が具体的に確認されれば、課徴金や是正命令、勧告など法的制裁措置が取られる見通しだ。

放送通信委員会関係者は「Googleの行為が違法だという事実を繰り返し伝える。点検は早期に終了するので、実態調査への転換は秒読み状態」と話している。

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