アイドルグループ「IVE(アイブ)」が興行で勢いをみせている。韓国の音源チャート1位を記録したのにとどまらず、米ビルボードにもランクインして、海外進出に弾みをつける。新たな看板スターの登場により、所属事務所STARSHIPエンターテインメントの親会社カカオエンターテインメントは、音源収益に加え、知的財産権(IP)を使ったグローバル展開も視野に入れる。
◇「逆走行」
韓国の音楽配信サイト「メロン(Melon)」によると、IVEの「LOVE DIVE」が7日、当日・週間・月間チャートで1位を獲得した。今年5月に活動を終了したにもかかわらず、順位が「逆走行」(注目されてこなかった曲が何らかの理由で急浮上する現象)したのだ。
特に「第4世代アイドル」(aespaやNMIXX、LE SSERAFIMなど2020年代にデビューした新興グループ)の中でメロン月間チャート1位を獲得したのはIVEが初めてだ。
IVEは韓国国外でも話題になっている。「LOVE DIVE」は米ビルボードチャートに12週連続でランクインし、「ビルボードグローバル200」で15位、「ビルボードグローバル」(米国を除く)で10位まで上った。
米誌タイムが選定したベストK-POPの歌・アルバムに選ばれたのに続き、YouTubeミュージック週間1位、Spotify週間K-POP1位を獲得した。昨年12月にデビューして以来、半年で収めた成果だ。
◇カカオエンタの看板歌手「IU→IVE」に交代か
IVEの成功はカカオエンタには好材料だ。同社は2018年にSTARSHIPエンターテインメントを買収している。
昨年の同社の連結基準売り上げ(1兆2468億ウォン)の中で、STARSHIPの売り上げ(857億ウォン)が占める割合は微々たるものだが、成長の可能性がある。特に新型コロナウイルス感染でエンタメ産業が萎縮し、昨年の売り上げの大部分が音源収益だった点を考慮すれば、今年の実績への期待は大きい。
かつてカカオエンタを代表するアーティストはIUだったが、最近はIVEやプMONSTA X、THE BOYZなど多角化している。
K-POPアイドルIPはウェブトゥーンやウェブ小説、動画に続くカカオのグローバル成長の動力でもある。ある業界関係者は「K-POPがグローバルコンテンツになり、アイドルIPの重要性がさらに増している。確固たるファンダムを土台に多様なグローバル事業を展開できる」と指摘している。実際、海外プラットフォームでK-POPが注目されれば、カカオエンタの音源流通収益が増加する。同社が保有する音源は7万曲余りで、韓国最大規模だ。
エンデミック時代を迎え、エンタメ会社の主な収入源であるグローバルツアーの収益も期待される。MONSTA Xが3年ぶりに米州ツアーを終え、IVEも最近、独フランクフルトで初の海外公演を開催した。
◇ファンプラットフォームの展開も
今後、アイドルIPが蓄積されれば、SMエンターテインメントの「bubble」、HYBEの「Weverse」のように、カカオエンタ固有のグローバルファンプラットフォームの展開も可能だ。
カカオのナムグン・フン代表は第1四半期カンファレンスコールで「IVEが世界で注目されたように、グローバルスーパーIPの発掘を続ける。これに基づき、世界各地のファンダムとコミュニケーションを活性化し、カカオが保有するIPのグローバルな影響力を拡大する」と宣言している。
カカオエンタ関係者は「グローバル音楽プラットフォームはもちろん、現地パートナーとコラボして、グローバルな音源流通への影響力を拡大していきたい。グローバルアイドルからボーカリスト、プロデューサーに至る、傘下の音楽子会社を通じ、グローバルなK-POP競争力を強化する」と意気込んでいる。
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