肥満治療の重要性が高まるなか、医療現場ではこれに関連した医療報酬がなく、医療関係者が診療時間の割り当てと薬の処方に困難を感じているという調査結果が出た。
大韓肥満学会はこのほど、医師774人を対象に「肥満診療に対する認識および現況調査」を実施。その結果を今月1日に発表した。
全体の回答者10人中約8人(81%)が、「肥満はさまざまな慢性代謝疾患の罹患率・死亡率を高めるため、専門的な治療が必要な疾患」という意見だ。だが、医療関係者の80~90%ほどが肥満診療に困難を感じているという。
その理由として▽一般疾患より診療時間が長くかかるが、医学相談報酬がない(46%)▽栄養や運動相談など相談教育報酬が未策定(16%)▽肥満治療剤が高くて、収入のない患者に大きな費用負担がかかる(16%)――などを挙げた。
回答者の7%は肥満診療を手掛けてこなかった。
その理由としては▽肥満診療をすると外来患者の診療時間が足りなくなるため(43%)▽肥満治療よりは他の疾患治療がより重要だから(16%)▽肥満診療に関心がないため(12%)――などを挙げた。
大韓肥満学会は「診療の所要時間や努力に応じた相談報酬がないため、時間当り多くの患者を診療してこそ病院を維持できるという状況になっている。このような環境では、現実的に多くの時間をさくことが難しい」と分析している。
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