――現在、スタートアップの生態系をどう見ているか。
パク代表 非常に拡張されている。創業者の量と質が圧倒的に良くなっている。資金もたくさん入ってきており、申し分ない。いい時期だ。
――創業者が警戒すべき点はないか。
パク代表 起業するということは100%本人の選択だ。誰かに押されてする、というものではない。決心がついた時、踏み出すことなので、リスクも本人が負う。留意事項を話すより、応援、サポートする観点を持つことが正しいと思う。事業をして、収拾して初めてわかることが多い。決心したのなら、ひとまずやってみることが重要だと思う。
――投資誘致関連でスタートアップに助言するならば。
パク代表 投資誘致は試験問題を解くように定型化されたものではない。投資家が重要だと考えることだけに集中して試験問題を予想する、というようなことはすべきではない。事業というものは、投資家ではなく顧客に選択されるものなのだ。顧客に選んでもらうという点に集中していれば、じっとしていても投資家はやってくる。本業に集中するのがむしろ投資誘致に役立つ。
――どんな創業者が出てくることを願うか。
パク代表 どうせなら、より大きなインパクトのある問題を解決する人物を歓迎する。通常、若い創業者たちは、家庭教師や合コンのような、自分たちが経験する身近な領域の問題を解決しようとする。もちろん、これらが大きくなることはある。それよりも、最初から大きな市場、大きな問題を見つけて事業を展開するということが、大きな会社をつくり上げる確率を高めるのではないかと思う。イーロンマスク(米テスラ最高経営責任者)の電気自動車のように。
――スタートアップの生態系にどう貢献したいか。
パク代表 起業することや、人に投資することは意味合いは似ている。いずれも階層移動を柔軟かつ自由にする手段だ。これまでは試験や資格がその役割をしてきたとすれば、今はその価値が弱くなっている。事業の始まりはゼロベースだ。人々の階層移動がはるかに柔軟で活発化されるように貢献すること。これが投資を生業とする者の役割ではないかと思う。
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