韓国サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔) 副会長が12日間にわたる欧州出張を終え、18日午前、帰国した。イ・ジェヨン氏はソウル到着に際し、半導体覇権競争や世界経済の不確実性の中でサムスンが解決すべき課題として「技術、人材確保、柔軟な組織」という三つを挙げた。
イ・ジェヨン副会長は「市場のさまざまな混乱と変化、不確実性がある。ただ、我々がすべきことは、優秀な人を連れてきて、予測される変化に適応できるよう柔軟な組織文化を作ることだ。一に技術、二に技術、三に技術。しっかり頑張る」と答えた。
また最近の国際情勢にも言及して「韓国では感じられなかったが、欧州に行くと、ロシアによるウクライナ侵攻の影響をより深刻に感じた」と述べ、グローバル経済の不確実性が想定よりも大きいという点も強調した。
欧州滞在中、イ・ジェヨン副会長は、半導体露光装置の世界最大手、オランダのASMLや、ベルギーの半導体研究機関imec(アイメック)を訪問した。イ・ジェヨン副会長は前者について「一番重要だった」と振り返り、後者については「次世代、次々世代の半導体技術がどうなるかを感じとることができた」と成果を語った。
ハンガリーのバッテリー工場や、カーオーディオなどのブランド「ハーマン・カードン(Harman Kardon)」も訪問したという。そのうえで「体は疲れたが、自動車業界の急激な変化を肌で感じることができた」とも話した。
ただ「買収合併(M&A)に関連した議論が交わされたのか」という質問には答えなかった。
同社の上半期戦略会議が来週、4年ぶりに開かれる。その席上、イ・ジェヨン副会長が言及したテーマを中心に、複合的な危機対応戦略が議論されるとみられる。
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