韓国・釜山(プサン)のBEXCOで今月中旬開催された「第11回アート釜山(ART BUSAN)」。上半期の美術市場のビッグイベントとして期待を集め、10万人余りの美術愛好家が集まって黒山の人だかりとなった。当初の予想を大きく上回る760億ウォンという歴代最大の売上を達成し、韓国の美術市場の熱気を裏付ける場となった。また、美術の「お得意さん」として浮上したMZ世代の消費力も目立った。
アート釜山は、国内外有数のギャラリーが一堂に会する大型アートフェア。上半期の韓国美術市場の流れを占うバロメーターにもなっている。
特に今年は新型コロナウイルス感染エンデミックとともに、ソーシャルディスタンスもなく開かれた大規模イベントとあって美術愛好家に耳目が集まった。また、投資家の熱い視線も集中した。昨年から目立った躍進を遂げている美術市場が今後も好況を維持できるかを判断できるからだ。
成績は文字通り「超大当たり」だった。アート釜山によると、今年のイベントで計760億ウォンの販売を記録したという。歴代最高と評価された昨年の売上高約350億ウォンの2倍を超えたのはもちろん、当初期待していた最大600億ウォンという予想を大きく上回った。
訪問客数も10万2000人を記録した。「VIPプレビュー」だけで1万2000人が集まり、一般展示を始めた13~15日は一日平均3万人が足を運んだ。アート釜山関係者は「快適な観覧のために今月12日にプレビュー時間を制限して開催したにもかかわらず、訪問客でごった返した。美術市場の好況で参加ギャラリー数が前年比20%程増えたことにより訪問客も増加したようだ」と分析している。
今年は国内の主要ギャラリーをはじめ、21カ国133のギャラリーが参加した。
この中で、多数のギャラリーがVIPプレビューのオープンと同時に出品作が完売するなど快調な出だしを見せていた。今回のイベントに初参加した「ギャラリー構造(Gallery kuzo)」は、作家イ・セヒョンのペインティング作品を国立現代美術館に販売し、「キャスパー・カン(Casper Kang)」の新作10点すべて完売した。
数億ウォンの呼び値をつける作品も多数販売された。草間彌生の60億ウォン台の「カボチャ」など、巨匠たちの作品が出品され関心を集めた。このうち「国際ギャラリー」では、ユ・ヨングクの作品を14億ウォン台で、ウーゴ・ロンディーノ(Ugo Rondinone)の大型ペインティング作品が3億ウォン台で販売された。
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