韓国の社会人Lさんは40代。数年前から自身が使っていた化粧品を「ビーガン化粧品」に少しずつ変えていった。動物実験をしたり動物性原料を使ったりしていないかを入念にチェックする。
「化粧品の動物実験の動画を見てとても衝撃を受け、製造過程や成分に疑問を持ち始めました。自分の楽しみのために、動物に不必要な苦痛を与えるような商品を使うことは、倫理的ではないと思いました」
Lさんはこう力を込める。
化粧品を購入する時も、信念に従って行動する「価値消費」が増える。「クリーンビューティー」市場もますます拡大するという見通しもある。ビューティー業界はこれに積極的に足並みをそろえ、「ビーガンビューティー」を売りにする製品やキャンペーンを継続して発表している。
グローバル市場調査機関「グランドビューリサーチ」によると、世界のビーガンビューティー市場は、2010年中盤以降、年平均約6%の成長傾向であることがわかった。規模は、2018年の129億ドルから2025年には208億ドルまで迫ると予想される。
業界関係者の展望は、こうだ。
「信念や価値観に従って消費する「ミーニングアウト(Meaning Out)」は、すでに新たなトレンドとして定着した。MZ世代を中心に、ミーニングアウトに基づく『クリーンビューティー』に対する関心が高まっている。各メーカーも、こうしたトレンドを積極的に反映した商品を引き続き展開していくだろう」
◇オリーブヤング、「ビーガンビューティー」ブランド直接選定
韓国ドラッグストア大手CJオリーブヤングは「ビーガンビューティー」市場の育成に力を入れている。
韓国ビーガン認証院や英国ビーガン協会、フランスビーガン協会など、韓国国内外の公信力ある基盤からビーガン認証を受けた製品を「オリーブヤング・ビーガンビューティー」に選定するなど、関連ブランド・製品を発掘して育成する企画だ。
ブランド選定で終わりではない。オリーブヤングは、機関別に異なる認証マークを一つに統合した「オリーブヤング・ビーガンビューティー」アイコンを作成し、製品に付ける。ビーガンアイテムが顧客の目に留まりやすいようにするという趣旨からだ。
「ビーガンビューティー」で今年、最も集中するカテゴリーは色調だ。
アミューズ(AMUSE)、クリオ(CLIO)ビーガンウェア、スキンフード(SKINFOOD)、オンリシア(UNLEASHIA)、イングロット(INGLOT)、ディーント(DINTO)などが一次選定された。選定製品はクッション、ファンデーションなどのベースメイクからリップ、アイメイクまで幅広く網羅した。
4月30日まで実施した「ビーガンビューティー」のキャンペーンでは、主要商品を最大30%割引で販売している。
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