新型コロナウイルス感染の余波で韓国で弾みがついた製品群の一つが、別名「ゼロ炭酸」だ。100ミリリットル当たり5ミリリットル未満なので、0ミリリットル表記できるゼロカロリー、ゼロシュガーの炭酸飲料を指す。飲料企業は今年、果物の香りのある製品を発売し、ゼロ炭酸市場で対決する。
ロッテ七星飲料は今月11日、フルーツの炭酸飲料「タムスゼロ(TAMS ZERO)」を3種発売した。農心(ノンシム)も今月18日からウェルチス(Welch’s)のゼロ炭酸バージョンを、まずオンラインで販売する。コカコーラも今年、ゼロ炭酸ラインナップの拡大を計画している。「ファンタゼロ(Fanta zero)」もリストアップした。
既存のゼロ炭酸市場はコーラとサイダー中心に流通した。ゼロコーラではコカコーラ、ペプシを中心に「ブルル(brrr)コーラ」「815コーラ」などが対決し、スプライトとチルソン(七星)サイダーが無色炭酸で両強構図を見せた。
かつてゼロ炭酸は砂糖の代わりに人工甘味料を入れたが、おいしくないという理由で市場からそっぽを向かれた。しかし、新型コロナ感染以降、健康を重視する傾向が強まり、体重増加を懸念する消費者が増え、従来の炭酸飲料の代替商品として浮上した。
業界関係者は「ゼロ炭酸は新型コロナ感染症が長期化し、カロリー負担を下げたい消費者を中心に人気を集めた。ホームトレーニングやボディプロフィールの撮影など、スタイルの管理に気を使う消費者も増えており、何より従来の味と似ているうえ、体に悪影響を与えるという罪悪感を持たなくてもいいというのがメリットだ」と説明した。
業界は、果物の香りを加えた炭酸飲料もラインナップに加えながら底辺を広げる。
ロッテ七星飲料が、生産中止となった「トムス」を「タムスゼロ」として再発売したことが引き金を引いた。タムスは1970年当時、香料を加えた炭酸を好む消費者の好みに合わせて発売した。1990年代まで陳列されていたが発売中止した。その後、ロッテ七星飲料は「トロピカーナスパークリング」をタムスの後続製品として販売し、ゼロ炭酸ブームに便乗したラインナップを拡充した。
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