2024 年 11月 25日 (月)
ホームライフスタイルトラベル「醜いアヒルの子」から「白鳥」へ…漢江に浮かぶ幻想の島 (上)

「醜いアヒルの子」から「白鳥」へ…漢江に浮かぶ幻想の島 (上)

セビッ島全景(写真提供=ソウル市)©MONEYTODAY

ソウル市瑞草区(ソチョグ)蚕院洞(チャムウォンドン)の盤浦(パンポ)大橋の南端。漢江(ハンガン)に超大型人工島「セビッ島」(旧セビットゥンドゥン島)が浮かぶ。世界最大規模(1万341平方メートル)という。政治に振り回されてきたこの人工島は今、装いを新たにしている。

セビッ島の「セビッ」には光の三原色(赤、青、緑)のように、3つの島(チェピッ島、ソルビッ島、カビッ島)が調和して漢江とソウルを輝かせたいという希望を込められている。カビッ島にはコンベンションセンターや水上レジャー施設、チェピッ島にはビュッフェ、カフェ、コンビニが、ソルビッ島には展示、公演施設やレストランがそれぞれ設置されており、各島は橋でつながっている。3つの島に加え、野外ステージとして使われる「イェビッ島」も盤浦大橋近くの川辺に位置している。

(ソウル観光財団提供)©news1

セビッ島は、漢江中心の水辺都市にソウルを再編するという「漢江ルネサンスプロジェクト」の一環として、2006年に計画が始まった。当時のオ・セフン(呉世勲)市長(旧ハンナラ党)の肝いり事業だった。

市民のアイデアを反映した計画案に基づき、島の形をデザインした後、民間事業者の公募を済ませた。最初の事業者「C&Group」が経営悪化により共同企業体を脱退したことで一時は事業推進が危ぶまれた。その後、ヒョソン(暁星)グループが参加して立て直し、2011年4月、完工にこぎつけた。

だが、セビッ島の試練は、完工とともに訪れた。

オ・セフン市長が同年8月、学校給食無料化の是非を問う住民投票で支持を得られず、責任をとる形で辞任。後任の市長に進歩系野党統一候補のパク・ウォンスン(朴元淳)氏(2020年7月9日死去)が当選した。

パク・ウォンスン氏は「オ・セフン市長の事業撤廃」に取り掛かった。特に、セビッ島に対しては事業者の特恵論争などが提起された後、市長の監査によって、セビッ島は2012年7月、「総体的な欠陥事業」という烙印が押された。関係した公務員15人が懲戒を受け、事業者には運営遅延にともなう補償金92億ウォンが課された。

こうした否定的な世論にセビッ島は運営会社の選定に悩まされる。しばらく放置され、“救援投手”だったヒョソンも手足を縛られたまま、ひたすら損害を享受し続けた。

だが、その後、ソウル市とヒョソンが状況の打開に動き出す。「事業施行会社がセビッ島を30年無償使用する」とした当初の協定を変え、「20年無償使用・10年有償使用」に変更した。

こうしたプロセスを経て、セビッ島は難産の末、2014年10月にオープンした。

漢陽大不動産総合大学院のチェ・ウォンチョル特任教授は「ソウル市民のための空間が、消耗的な政治の遊び場に変質した。数年間放置され、税金が浪費された。セビッ島が正常に運営されていていたら、今や国際的な最高のランドマークになっていただろう」と悔やむ。

©MONEYTODAY

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