春は“眺めること”だ。香りに浸る恋人たちであふれる季節、「春のぬくもり」は愛の温度も高める。恋人同士はもちろん、相手がいなくても、眺めるだけでわくわくする絵がある。
韓国の画家シンチョルの「春のぬくもり」は、ぴったりとくっついた恋人たちが、桜のようなピンク色に染まり、仲良く話をしている。
独特の童話的な感性で表現する作家。簡潔な文章とパステルカラーが目を引く。作品によく登場するおかっぱ頭の少女は、作家の幼年時代をそのまま描き出し、50~60歳代にも深い郷愁を呼び起こす。
韓国のアート紹介会社「プリントベーカリー」が今月9日から、シンチョルの個展「春のぬくもり」展を「スペース社稷(Space SAZIC)」で開催している。
スペース社稷は複合文化芸術空間で、鍾路(チョンノ)区社稷(サジク)洞に位置する古い家が昨年12月、展示空間に生まれ変わった。旧都心という親しみやすい空間を使って、文化・芸術による都市再生に取り組んでいる。
開館以来、地域の住民が芸術に親しみながら休息できるよう、定期的に展示・文化イベントを開いている。
今回の展示では、作家の詩と絵を同時に楽しむことができる。まるで1冊の絵のエッセイを読んでいるような体験だ。従来のホワイトキューブ(white cube)展示場では感じられない楽しい展示場であり、週末の外出コースとしても適している。
©NEWSIS