現場ルポ
行楽客の間では、青いベストと黄色いベストを着た人たちが慌ただしく動いていた。
黄色いチョッキはボランティアのお年寄り。開放期間中、ボランティアを申請した地域のお年寄りは360人。輪中路で行楽客の世話をする係だ。
ボランティアのチャン・ドンウさん(78)のもとに、幼い娘を肩車に乗せた若い父親が「写真を撮ってほしい」と申し出た。チャンさんは「車道に降りてください。そうすれば、後ろに桜の花がよく見えますよ」と構図を整え、撮影を手助けしていた。
一方、青いベスト姿は、永登浦区役所の公務員と区役所が雇用した用役職員。区関係者によると、桜並木での▽飲食制限やソーシャルディスタンスなど防疫規則の維持▽無許可露店の監視――などを目的に、7日間で延べ3000人を動員しているという。区関係者は「昨夜、菓子の販売や、即席写真を撮る商行為など4~5件を取り締まった」と話す。他の区職員は「過料を課すこともできるが、まずは『出て行ってほしい』と要請して、終わらせるのがほとんど」だそうだ。
それでも空いた場所を見つけてバッタのように転々としながら営業する商人もいた。観光客を対象に50年間写真を撮る仕事をしてきたA氏は、同日午前にも国会の入り口付近で営業した。A氏は1枚に5000ウォンを受けながらスマートフォンの写真を即座にプリントした。A氏の近くには行楽客が写真撮影を待っていた。
A氏は「写真は永遠の記念なので取り締まりはやめてほしい。区関係者に追い払われても、いったん外に出て、また戻ってくる」という。
区関係者は「商行為を見つければ、5~10分で区職員が出動する。『出て行け』と言っても『バッタ方式』で営業する人もいる」と嘆いた。
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