北朝鮮のキム・ヨジョン(金与正)副部長はまた、今回の談話で韓国側に「惨事を避けようとするなら、自粛すべきだ」と要求した。韓国側のどのような反応を見せるかによって、北朝鮮も行動を変えることができるということだ。
一方で専門家は、北朝鮮が今年に入り、それなりの「計画」によって武力挑発の水位を高めてきたと判断される点で「一定水準以上の追加挑発に出るのは予定された手順」とみている。
また、北朝鮮の今回の談話は、ソ氏に対するものというよりは、候補時代に「先制攻撃」を口にしたユン・ソンニョル(尹錫悦)次期大統領を遠回しに狙ったものという解釈も出ている。
北朝鮮は今年1月の極超音速ミサイルをはじめ、先月24日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)に至るまで、今年に入って12回にわたり弾道・巡航ミサイルの試験発射や放射砲射撃を実施した。
特に北朝鮮が4年ぶりにICBM試験発射再開を通じてすでに米国が設定した「レッドライン」を超えた点を勘案すると、「追加核実験も時間の問題」という指摘が出ている。北朝鮮が2018年5月に閉鎖した咸鏡北道(ハムギョンプクト)吉州郡(キルジュグン)豊渓里(プンゲリ)の核実験場では、地下坑道の復旧など、核実験再開を準備する動きが観測されている。
今月は15日にキム・イルソン(金日成)主席生誕110周年を迎えるのに加え、米韓合同軍事演習が実施される。北朝鮮の挑発可能性を高める要因の一つだ。
梨花(イファ)女子大北朝鮮学科のパク・ウォンゴン教授は「北朝鮮外務省レベルではなく、キム・ヨジョン―パク・ジョンチョンのラインというハイレベルで談話が出された」としたうえ「北朝鮮が本当に9・19合意破棄まで踏み切るのか、もう少し見守る必要がある」と指摘している。
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