現場ルポ
10年前、音楽と映像を全て再生できるPMP(パーソナルメディアプレイヤー)は、受験生たちの必須アイテムだった。1990年代生まれなら、高校時代の夜間自主学習の時間、PMPでインターネット講義を聴いた記憶が一つくらいあるだろう。しかし、タブレットPCやスマートフォンの普及によって、PMPは歴史の遺物となった。
最近の高校3年生は、スマートフォンで「インターネット講義」を見る。持ち歩きも楽で画面も小さくなく、追加の別途機器を購入する必要もないからだ。これをターゲットに韓国電子通信事業大手LGユープラスは、韓国テクノロジー大手サムスン電子のZフリップ3を基盤に、インターネット講義を見ることができる10代の受験生専用スマートフォン「U+Zプランフォン」を発売した。
U+ZプランフォンをLGユープラスから拝借して実際に使ってみた。
U+Zプランフォンは、サムスン「Galaxy Z Flip3 Bespoke Edition」のホワイトカラーとワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds2」などが入ったパッケージで提供される。パッケージには透明ケースとスマートフォンを飾ることができる「ポンクミギ」ができる各種ステッカーも入っていた。
パッケージで提供されるだけに、価格は少し高い。中古価格は131万9890ウォンで、料金制で提供されるブランド支援金33万6000~60万ウォンを適用すれば、実際の購入価格は98万3890~71万9890ウォンとなる。これまでは主に安価な普及型モデルを基盤に、10代専用スマートフォンが開発されてきたが、最近は青少年が次第にデザインや最新機能を重視するということを反映して、最高級のフラッグシップ端末を活用したという。
U+Zプランフォンにはインターネット講義を聴くことができる「メガスタディ」アプリが基本搭載された。
パッケージに入っているポータルサイト「メガパス」の7日間無料体験クーポンを使用して、学生時代に喜んで聴いていた韓国地理の動画講義を流してみた。10年前に使っていたPMPと比べると画面の大きさは同じくらいだが、重さは3倍以上軽くなった。普段、アイフォンユーザーである身にとってはノッチがない点も良かった。ノッチがあるとインターネット講義を見る時、画面端にある文字がよく見えなくなることがためにあるが、そんなこともなく視界の良いすがすがしい気分だった。
「YouTubeでも見るか」という思いが浮かび始めたころ、搭載されていたZプランアプリで勉強に集中できるようなモード設定をしてみた。カスタムモードで自分が使いたいアプリをいくつか選んで設定すると、勉強を妨げるYouTubeやネットフリックスなどのアプリは目に入らないように消された。初期データやBluetooth、メッセージなど主要機能を遮断することができる。もちろん、モードをもう一度変更してYouTube視聴の誘惑に負けることもあろう。だが、いったんモードを設定すると再び変更するのは容易ではない。勉強中にスマートフォンを見る回数を減らすための、それなりの効果が期待できそうだ。
学習のためにさまざまな機能も支援する。
科目別の学校時間割、今日勉強する科目、塾の時間――などをメモできるのに加え、受講履歴、発表・課題日程などの特記事項の記録、課外活動などの履歴、模試のタイマー、順位・グレードのグラフなども登録できる。ストップ位置機能によって科目別の勉強時間を記録し、全国の同学年と比べて自分のランキングがどの程度なのかも確認できる。
U+Zプランフォンは、初めて青少年専用スマートフォンにフラッグシップ端末を適用し、データ使用を強制的に制限しないなど「自由性」をアピールした。これまでは主に、データ使用遮断機能に焦点を合わせた安価なスマートフォンが青少年専用スマートフォンとして発売されてきた。だが、U+Zプランフォンは自己管理アプリを追加し、青少年が自らスマートフォンの使用を節制して日程を管理できるようサポートに集中している。
スマートフォンの交換周期が徐々に長くなっている。それゆえ、青少年が勉強する時だけに限らず、長く、実用的に使用できるようにした青少年専用スマートフォンだ。
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