2024 年 11月 28日 (木)
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[インタビュー] キム・テヒョン演出「アーモンド」…「感情のない子、でも響きがある」(下)

3月17日、インタビューに応じるキム・テヒョン©NEWSIS

キム・テヒョンは2007年、演劇「5月には結婚する」でデビューした。演出家として歩んできた道は、いつの間にか15年にもなった。「よく耐えてきた」そうだ。

演劇、ミュージカルだけでなく、唱劇(伝統歌劇)、オペラなど、ジャンルを超えて活動する。「どうせなら面白いことをしようという主義です。観客からお金をもらった分、責任を持って、充実した時間を過ごしていただけるようにしなければ」というのがモットーだ。

「演出家は結局、語り手。だから、どうすれば、もっと面白く聞かせられるかが重要ですね。新鮮なものを届けたい。完全に新しい、というものではなくても、“この場面だけは見たことがない”というものを、少しでも多く作ろうと試みています」

最後まで粘る――このことによって、チャンスが広がった。転機となったのは、2012年の演劇「模範生たち」。大衆的であり、作品性を失わない方向の演出として位置づけられた、とみる。

「残念なのは、以前は観客がもっと身近だったのに、今はちょっと怖いと感じることです。時代精神とは何か、世の中に聞かせるべき話は何なのか……、昔よりも慎重になり、悩みながら観察するようになりました。完成度がより高く、人々が同意できるような話にしたいと考えれば、責任感も恐怖心も、より多く抱くようになったのです」

キム・テヒョンは、韓国のエリート校「科学高」を卒業後、韓国科学技術院(KAIST)に進んだ理工系出身。その途上で「ハン・イェジョン演劇院」の門を叩いた。「何がきっかけというよりは、KAIST生活の失敗と、これからの道に対する悩みが混じり合って、導かれた結果」という。

とにかく学生時代、数学、物理、化学を学び続けた。「そのプロセスが演出生活に役に立ちました。論理的な思考法を身につけ、一つずつ考える訓練をたくさん受けました。演出家として、場面の蓋然性と論理性を確保しようと心がけています」

「大学路で最も忙しい演出家」の1人であるキム・テヒョンは、今月24日に開幕するミュージカル「リッジ」も担当している。2年ぶりの再演となる女性4人組のロックミュージカルで、本人は「より果敢で刺激的になって戻ってきた」と評価する。

「リッジ」をはじめ、女性キャラクターが主役の作品は、今のキム・テヒョンを表す代名詞でもある。

「いつからか、女性が主人公の作品をたくさん手掛けるようになりました。自然に女性キャラクターについて研究し、観察を重ねるようになりました。以前から追求してきた『少数者』『弱者』に『女性』もテーマに加え、活動を展開し続けてきました。これからも、それは必要だと思っています。そのプロセスで、ミスもしました。わからなかったことも多くありました。でも、これからもしばらく、続けていくべき道だと思っています」

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