「私はなぜ元気なところがないの?」
包帯を巻いている女。痛々しさ以上に清涼な麗しさに吸い込まれる。か細くて病弱な美しい少女の重厚なまなざしが、切ない涙に濡れる。パステルトーンの純潔さが強烈な絵画は、極度の写実を超える「ハイパーリアリズム」だ。確かに絵画ではあるが、幻想的な美の世界へ、ひいては悲しげな表情にまで対峙させる巧妙な力がある。
「包帯を巻いた女」(Cherish)は、画家クォン・ギョンヨプ(世宗大兼任教授)の名を最も世に広めた作品だ。
美しさばかりを追い求める「整形時代」を皮肉った絵という評価もあったが、「包帯を巻いた女」は現代人のトラウマを撃ち抜いた。
流行語と化した「痛みは青春だ」という言葉に反撃したのだ。
痛くても話せない、我慢が美徳だと思っていた感情を包帯で表現した「現代人の内面の肖像、スピリチュアルな肖像」だ。悲しさが滲んだその絵には、作家自身の経験が溶け込んでいる。幼いころの傷から芽生えた憂うつな感情は、トラウマを経てカタルシスへと姿を変えた。包帯をぐるぐると巻いていても、堂々と正面を見つめる女は、傷を負った人々の「治癒の絵画」になった。
包帯を巻いて生きなければならないような「痛みの時代」だ。新型コロナウイルス感染者が急増する渦中で、新型コロナは当たり前になった。病気であろうがなかろうが、皆が安心できない世の中だ。
しかし、世界は回り続ける。この2年間、全世界を恐怖に震わした新型コロナウイルスも、まもなくピークを過ぎると予測されている。春の訪れとともに、その希望はより大きくなっている。
しかし、重くなった体が問題だ。ステイホームと在宅勤務中の「コロナ太り」という冗談が現実になった。最近、韓国国民の5人に2人が肥満であるという統計も公表されている。
在宅勤務も出勤だ。目覚めるや否や、疲れることは変わらない。起きれば肩が凝り、亀のようにモニターに向かって首をすっと伸ばし、日曜日にもなれば翌日出勤することに気が重くなる。上司の顔色をうかがって胃ももたれ、全身が疲れ果てて痛む。一日中業務に悩まされ、仕事を終えてもあまりの疲労に何もしたくない。それでも「今日からは退勤したら運動をして早く寝よう」と決心だけはする。またこうしたストレスから、何度もダイエットに失敗する。会社員の哀歓だ。
どうすればいいの? 会社勤めでも健康に体重を管理できるの?
5人の専門家が「私たち、元気に出勤しましょう」と、会社員向けの処方箋を出版した。内科、整形外科、リハビリテーション医学科、さらに精神科、皮膚科までの専門家たちが「チョンドゥンナム(聴診器を持った男)」という名で集まった。
「疲れたらすべて慢性疲労症候群ですか?」
「朝ご飯を食べることはダイエットに良いのですか?」
「胃炎が胃がんに発達することはありますか?」
「脱毛には黒豆が良いそうですが本当ですか?」
こうした問いはもちろんのこと、「会社に勤めながらダイエットする方法」といったことまでわかりやすく説明してくれる。
1日をもっと健康に過ごすには、そして「心の包帯」を外すには時間が足りない。「私たち、元気に出勤しましょう」
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