2026 年 6月 9日 (火)
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[KWレポート] 日韓ビジネス仕事人(6) なぜ日本の返信は遅いのか?「早く」の韓国企業が学んだ信頼の掴み方

オフラインショーケース「JKCS」を開催した際の集合写真=G-FUTURES(c)KOREA WAVE

――以前は「K-POPブーム」という認識が強かった韓国カルチャーですが、最近ではライフスタイルそのものとして定着している印象があります。

「本当に変わったと思います。昔のKコンテンツファンって、特定のアイドルや俳優さんを好きな人が多かった印象なんです。でも今は、それがライフスタイル全体に広がっている感じがあります」

――韓国料理、ファッション、カフェ、美容、旅行。かつて韓国好きな人の文化だったものが、今では日常へ自然に入り込んでいます。

「今は、新大久保へ行かなくても東京の中心地で韓国料理を食べられます。地下鉄では韓国人モデルの広告を普通に見かけます。韓国旅行をする日本の方も、昔みたいな観光地だけではなくて、聖水(ソンス)や漢南洞(ハンナムドン)、狎鴎亭(アックジョン)みたいなローカルエリアを自然に回っているんですね。それを見ると、不思議でもあるし、ちょっと誇らしくも感じます。そして僕自身、日本が本当に好きで、子どもの頃から何十回も来ていました。だからこそ、昔と今で空気が変わった感じもすごくあります。今は、日本人が韓国へ来ることも、韓国人が日本へ行くことも、すごく自然になりました」

――その一方で、仕事をする中では、近い国だからこその難しさも感じている。最も苦労する点は?

「やっぱり、スピード感だと思います。韓国には、パルリパルリ(早く早く)という言葉があるように『早く』を求める文化なんです。でも、日本の消費者は、慎重に中身を見ているんですよね。その違いは、日々のコミュニケーションにも現れています。韓国人は、たとえばメッセージが来たら、すぐ『確認します』とか『わかりました』と返すんです。でも日本では、内容がちゃんと整理されるまで返信を待つことが多い。確認できてから、丁寧にまとめて送ってくださる。最初の頃は『なんで返信が来ないんだろう』って不安になることもありました。でも、一緒に仕事をする中で、日本の方々は確実なものをきちんと返そうとしているんだって分かってきたんです」

――その文化には慣れましたか?

「私は慣れました。でも、これから日本とビジネスする韓国人の方には『返信が来なくてもちょっと待ってください』ってよく言います。日本の方々は、いい加減に返事をしているわけじゃなくて、ちゃんと整理してから返そうとしている。そこを理解することが大事なんじゃないかなと思っています」

――その中で、日本市場で成功している韓国ブランドには、どのような共通点があると思いますか。

「短期的な成果だけを追わないブランドだと思います。継続的に日本市場へ関心を持って、日本の消費者としっかりコミュニケーションを取ろうとしているブランドは、やはり強いです。例えば、すごく売れている化粧品ブランドの『VT』は、2017年頃から日本市場をずっと見ていたんです。『CICA』や『ニードルショット』などの成分・技術を市場へ提案しながら、ブランドとしての専門性も伝えていた。あれは本当に大きかったと思います」

――韓国らしさを維持するべきか、日本向けにローカライズすべきか、そのバランスは?

「僕は、韓国らしさは絶対に必要だと思っています。映画『パラサイト~半地下の家族』のポン・ジュノ監督が言っていた『最も韓国的なものこそ世界的なものだ』はその通りだと思います。ただ、そのままでいいというわけではない。日本の文化や消費者の感覚をしっかり理解して、その上でコミュニケーションする誠実さが必要なんです。韓国らしさを残しながら、日本の方々に届く形へ変えていく。そのバランスが大事だと思います」

G-FUTURESのペ・ソンフン代表=G-FUTURES(c)KOREA WAVE

――現在進行中のプロジェクトを教えてください。

「光文社と連携し、2026年夏に日本で韓国カルチャーのポップアップイベントを開催する予定です。

このプロジェクトの原点は、銀座松屋で開催された光文社主催のイベント『聖水トレンドコレクター』でした。韓国の旬のブランドやカルチャーを紹介する同イベントで、僕たちは韓国ブランドと日本市場をつなぐセールスパートナーとしての役割を担いました。この実績をもとに、現在は毎日放送(MBS)の地上波番組『週末KOREA』とも強力に連携し、大阪での大型イベントプロジェクト『週末KOREA ハップルFES in 大阪』の準備を進めています。単なる物販にとどまらず、韓国のトレンドブランドと日本のメディアをいかにつなぎ、来場者にリアルな体験として届けられるか。メディアとリアルが融合した新しいカルチャー発信の形を、今まさに三社で考えているところです」

――今後の目標を教えてください。

「現在、インフルエンサー市場は大きな転換期を迎えています。かつての『商品を渡して投稿してもらうだけ』の手法は、消費者に届かなくなりました。特に韓国をはじめとする市場では、『本当に愛用しているのか?』を見極める消費者の目が厳しくなっています。今、求められているのは『ストーリー(文脈)』です。『もともと好きだったからコラボした』というリアルな愛着が、消費者の共感を生みます。今後はインフルエンサーマーケティングをさらに強化し、ブランド、インフルエンサー、そして消費者が、いかに自然につながれるかという本質的なコミュニケーションを、もっと考えていきたいですね」

――日韓ビジネスへ挑戦したい若い世代へのメッセージを。

「今、日韓の距離はかつてないほど近くなっています。だからこそ、今一番求められているのは『新しい文化を経験してみよう』という一歩を踏み出す勇気です。言語の壁や仕事の進め方の違いに対して、不安を感じる必要はありません。それらは実際に現場で仕事をしながら、いくらでも覚えていけるものだからです。まずは飛び込んでみる。その姿勢こそが、今の時代を切り拓くために最も大切なことだと思います」

(c)KOREA WAVE

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