
「介護のせいで株を売るタイミングを逃した。損害を補償してほしい」。韓国の介護士キム氏(48)は、母方のいとこにあたる女性に対し、数年にわたってこう訴え続けていた。
キム氏は2020~2021年、国の支援を受けながら、この女性の母親、つまり自身の叔母を介護していた。その後、叔母の介護に時間を取られたため株式を売却する機会を逃し、数千万ウォンの損害を受けたと主張。女性に補償を求めるようになった。
キム氏は過去にも、この女性に関連して特殊財物損壊罪で処罰を受けていた。恨みは消えず、やがて「女性のせいで財産を失った」「前科のせいで就職できない」「女性に無視されている」などと思い込むようになった。さらに、叔母名義の住宅についても「本来は自分の母のものなのに、女性が欲を出している」と考え、憎しみを募らせていった。
そして2025年7月20日午後4時ごろ、酒に酔ったキム氏は、あらかじめ購入していた全長34センチの刃物を持って女性を訪ねた。女性を見つけると刃物を取り出し、逃げる女性を追いかけて腹部や肩などを4回刺した。女性の抵抗と周囲の人々の制止により、命は取り留めた。
水原地裁城南支院は同年9月、殺人未遂罪に問われたキム氏に懲役4年を言い渡した。
裁判所は「犯行に使われた道具、攻撃した部位、被告と被害者の関係、被害の程度などを踏まえると、罪質は非常に悪い」と指摘。被害女性が大きな身体的・精神的苦痛を訴え、厳罰を求めていることも重視した。
一方で、キム氏が犯行を認め反省していることや、アルコール依存症候群などの診断を受け治療中であることも考慮したと説明した。
判決後、キム氏は「刑が重すぎる」として控訴。検察も「刑が軽すぎる」として控訴した。しかし、水原高裁は双方の主張を退け、1審の懲役4年を維持した。
控訴審は、キム氏が控訴審で被害者と示談した点を認めつつも、「犯行の残酷性などを考慮すれば、原審の刑が不当とはいえない」と判断した。
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