韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)次期政権の首相候補として、大統領職引き継ぎ委員会のアン・チョルス(安哲秀)委員長の名前が取りざたされている。政界関係者によると、ユン氏側は引き継ぎ委の構成とともに首相候補を選ぶ作業を始めた。引き継ぎ委を率いるアン委員長の「直行」の可能性も指摘されている。
その際、自身が創業した韓国最大のコンピュータセキュリティ企業「アンラボ(Ahnlab)」の株式(1700億ウォン規模)問題が浮上する見通しだ。ユン氏がアン委員長を首相に指名するためには、株式売却あるいは白紙委任信託の決定が先行しなければならないためだ。アン氏は過去にもアンラボの株式を巡る政治的議論に巻き込まれたが、白紙委任信託にされたことはない。
アン委員長は前日の記者会見で、首相候補に取り上げられていることについて「今、頭の中には、自分の仕事に集中しよう、という考えしかない。国政課題全般についてきちんと把握し、それに対する重要な下絵を描く作業なので、目をそらして他に考えることはできない」と一蹴した。
アン氏が首相候補になるには、まずアンラボ株式問題を解決しなければならない。
アン委員長は186万株を保有する筆頭株主。持ち株は14日の終値(9万1400ウォン)基準で1700億400万ウォンに達する。該当株式を処分したり白紙信託したりしなければ、首相候補になるのは不可能だ。
政界関係者は「アン氏が首相候補になるためにはアンラボ株を処分するという意志を明らかにしなければならない。株式売却なしには大臣選任も不可能というのが現実」と述べた。
アンラボの株価は大統領選挙後高止まりしている。選挙翌日の10日は4.24%上がり、11日は17.21%高騰した。前日も5.66%上昇し、1株当たり9万ウォンを突破した。15日午後2時現在、株価は9万1500ウォンと横ばいの状態だ。
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