2024 年 11月 27日 (水)
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尹次期大統領「法相の捜査指揮権廃止」…国会の同意は可能か

11日午後、ソウル・汝矣島の「国民の力」の党本部に設けられた次期大統領事務室で、駐韓米国大使代理と接見する韓国の保守系野党「国民の力」のユン・ソンヨル(尹錫悦)氏©NEWSIS

韓国のユン・ソンヨル(尹錫悦)次期大統領が公約に掲げた「法相捜査指揮権廃止」が現実のものになるのか。法曹関係者は捜査指揮権の廃止には肯定的だが、関連法の改正に向けて、国会の過半数を占める野党との緊密な協議が必要だと口をそろえる。

ユン氏は先月、具体的な事件に関して、検察総長に対する法相の捜査指揮権廃止を主要骨子とする司法政策公約を発表した。

当時、ユン氏は「個別の事件に対する捜査指揮は悪用される場合があまりにも多い」と指摘し、捜査指揮権を廃止する意思をほのめかした。一部で、検察総長出身のユン氏が、検察の中立性と政治的独立に力を与えるのではないかという分析も出ている。

現行の検察庁法は、法相が検察事務の最高監督者として検事を指揮・監督するが、個別の事件については検察総長のみを指揮・監督すると規定している。これまで捜査指揮権は、検察内部の人物が法相である状況では事実上、死文化し、行使されなかった。

憲政史上、法相による捜査指揮権の発動事例は計4回に過ぎず、そのたびに検察と法務省は激しく対立した。捜査指揮権を発動した法相は、たまたま、いずれも政治家出身など検察外部の人物が任命されたケースだった。

まず、2005年のノ・ムヒョン(盧武鉉)政権当時、チョン・ジョンベ(千正培)法相は、朝鮮戦争を「北朝鮮による統一戦争」と主張した東国(トングク)大のカン・ジョング(姜禎求)教授を拘束・起訴しようとした検察に対し、在宅起訴を指示して指揮権を発動したことがある。当時のキム・ジョンビン(金鍾彬)検察総長は、これを受け入れながらも、抗議の意味を込め、就任6カ月で辞意を表明した。

特に顕著なのはムン・ジェイン(文在寅)政権。計3回も捜査指揮権が発動された。当時のチュ・ミエ(秋美愛)法相は「チャンネルA事件」などで、検察総長だったユン氏を事実上排除する捜査指揮を下すなど、2回にわたり指揮権を発動し、ユン氏と対立した経緯がある。

その後、パク・ポムゲ(朴範界)法相は昨年3月、検察が「容疑なし」としたハン・ミョンスク(韓明淑)元首相の謀害偽証教唆事件について「処理過程の公正性に疑問が残る」として、再び判断を下すよう捜査指揮をしたことがある。これについて、法務省が身内を助けるため職権乱用したのではないかという批判が提起されたこともある。

捜査指揮を受けたユン氏が、このような経験に基づいて法相の捜査指揮権廃止を公約したのではないかという解釈が、大統領選挙前後に支配的だった。

法曹界では、法相の捜査指揮権廃止の方向性には概ね肯定的でありながらも、現行の検察庁法を改正しなければならないため、国会の同意が必要な部分については過半数の議席を占める「共に民主党」との緊密な協議が必要だと口をそろえる。

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