◇特別赦免
特別赦免(恩赦)も関心事だ。歴代大統領らは概ね、大統領選挙後の任期内に最後の恩赦を実施した。ムン大統領も任期終了前の最後の恩赦を当選者との協議を通じて断行するという観測が高い。ただ、恩赦も現職大統領の特権のため、必ずしも相談を必要とするものでもない。
1997年12月、当時のキム・ヨンサム(金泳三)大統領が当選者=キム・デジュン(金大中)氏=との協議を通じて恩赦に踏み切った例が代表的だ。キム大統領がチョン・ドゥファン(全斗煥)、ノ・テウ(盧泰愚)両元大統領らに対する赦免・復権の意思を表明し、キム・デジュン当選者が支持するという立場を表明したことから実現したものだ。
ムン大統領は昨年12月24日、パク・クネ(朴槿恵)前大統領らを赦免。今月1日の「三一節」(独立運動記念日)に断行しなかったのは、大統領選を控えた時期という点が考慮されたものと解釈されている。
現在、ムン大統領の最後の赦免リストに名前が挙がっているのは、イ・ミョンバク元大統領▽ムン大統領の腹心であるキム・ギョンス(金慶洙)前慶尚南道知事▽昨年8月に仮釈放で釈放されたサムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)副会長――らだ。保守・進歩関係者に対する「政治的均衡」、国内外の経済状況などを考慮した恩赦断行があり得るという予想だ。
◇外交
一方、外交上、韓国を代表する顔も、任期が終わる日まで現職大統領が務める。ただ、政権移譲期に外国首脳などの外賓の韓国訪問がある場合には、大統領と当選者に相次いで会う席が設けられる予定だ。
ムン大統領が追加で外国歴訪計画を立てるかどうかも注目される。ムン大統領は今年1月のアフリカ・中東歴訪を最後に、その後の計画を立てていない。大統領府関係者は「通常、政権移譲期には外国歴訪にあまり行かない。だが新型コロナウイルスの影響で訪問しなければならない国はあまり行けなかったため、一部国家は『任期と関係なく韓国に来てほしい』という要請が少なくない」と述べている。
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