2026 年 2月 14日 (土)
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北朝鮮・開城工業団地閉鎖から10年…入居企業124社のうち40社が消滅

開城工業団地(c)news1

南北経済協力の象徴とされた北朝鮮・開城の経済特別区「開城工業団地」が、全面中断・閉鎖から10年を迎えた。かつては南北協力の最前線に位置づけられた同団地だが、現在では再開に向けた議論すら困難な「過去の事業」となりつつある。

開城工業団地は2004年に竣工し、当初は20社に満たない企業の入居で操業を開始した。その後、2016年2月の全面中断時点では入居企業が124社に達し、金剛山観光中断、北朝鮮による天安艦爆沈事件、延坪島砲撃事件といった数々の危機を乗り越えながら、南北経済協力の現場として機能してきた。

しかし閉鎖から10年が経過した現在、北朝鮮は南北関係を「敵対的な二つの国家」と位置づけ、分離路線を明確化している。入居企業124社のうち40社(約32%)が休業または廃業状態にあるとされ、工業団地再稼働をめぐる環境は一段と悪化している。

◆核実験を契機に対立激化、2016年に全面中断

開城工業団地は、2000年の6・15南北共同宣言を受けた後続事業として推進された。2000年8月に現代峨山と北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会が建設に合意し、2003年に着工、2004年12月に竣工した。試験団地では最初の製品として「統一鍋」が生産された。

2007年の10・4南北首脳宣言を契機に第2段階開発の議論が進み、2012年には北朝鮮労働者数が5万人を超え、生産規模も拡大した。しかし2013年2月の北朝鮮による3回目の核実験以降、南北関係は急速に冷え込み、同年4月には北朝鮮が労働者を全面撤収し、約5カ月間操業が中断された。

その後も賃金引き上げ問題などで摩擦が続き、2016年1月の4回目の核実験と長距離ミサイル発射を受け、韓国政府は同年2月、工業団地を通じた資金が北朝鮮の核・ミサイル開発に転用されているとして、全面中断を決定した。入居企業の多くは設備や原材料、完成品を残したまま撤退を余儀なくされた。

◆再開の兆しも制裁で頓挫、連絡事務所爆破で期待消滅

2018年、南北・米国間で非核化交渉が進展する中、工業団地再開への期待が高まった。南北首脳は同年9月の平壌共同宣言で、条件が整い次第、開城工業団地と金剛山観光を正常化することで合意した。

しかし、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁が障害となり、非核化進展のない制裁緩和に否定的だったトランプ米政権の姿勢もあり、再稼働は実現しなかった。

さらに2020年6月、北朝鮮は開城工業団地内の南北共同連絡事務所を爆破。これを機に南北関係は急速に冷却化し、新型コロナウイルスの流行も重なって交流は完全に途絶えた。

◆休廃業40社、被害申告額は8000億ウォン超

開城工業団地企業協会によると、2026年2月時点で入居企業124社のうち40社が休業または廃業状態にある。公式な廃業届を出さず、最低限の体制で存続する企業も少なくない。

韓国政府はこれまでに被害申告額8173億ウォンのうち、5787億ウォンを補償したが、企業側は原材料や完成品など流動資産の損失が十分に反映されていないと訴えている。北朝鮮が韓国企業の設備を無断使用し、40余りの工場を稼働させているとの指摘もあり、財産権侵害の問題も残る。

専門家は、仮に南北対話が再開されたとしても、北朝鮮の対南姿勢や累積した対北朝鮮制裁の影響により、開城工業団地の再稼働は容易ではないと分析している。再開に政治的条件が整ったとしても、長年のリスクや設備の老朽化、産業構造の変化を踏まえると、実質的には再開発に近い対応が必要になるとの見方が支配的だ。

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