2026 年 2月 13日 (金)
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AIが「化学を理解する」時代へ…韓国KAIST、分子構造を自律予測する新モデル開発

KAIST提供(c)news1

韓国科学技術院(KAIST)は10日、キム・ウヨン化学科教授の研究チームが、分子の安定性を左右する物理法則を自ら理解し、分子構造を予測する人工知能(AI)モデル「リーマン拡散モデル(R-DM)」を開発したと発表した。

このモデルの最大の特徴は、分子の「エネルギー」を直接考慮する点にある。従来のAIが分子の形状を単に模倣していたのに対し、R-DMは分子内部で作用する力を考慮しながら、自律的に構造を最適化する。研究チームは、分子構造をエネルギーが高いほど丘、低いほど谷として表した「エネルギー地形図」を構築し、AIが最もエネルギーの低い谷を目指して移動するよう設計した。

R-DMは、このエネルギー地形上で不安定な構造を回避し、最も安定した状態へと分子を導く。これは数学理論であるリーマン幾何学を応用したもので、「物質はエネルギーが最も低い状態を好む」という化学の基本原理をAIが自ら学習した結果といえる。

実験の結果、R-DMは既存のAIモデルに比べ、最大20倍以上高い精度を示した。予測誤差は精密な量子力学計算とほぼ差がない水準まで低減されており、AIを用いた分子構造予測技術としては世界最高レベルの性能だという。

この技術は、新薬開発にとどまらず、次世代バッテリー材料や高性能触媒の設計など、幅広い分野への応用が期待されている。時間を要していた分子設計プロセスを大幅に短縮し、研究開発のスピードを飛躍的に高める「AIシミュレーター」として注目される。また、化学事故や有害物質拡散など、実験が困難な状況においても化学反応経路を迅速に予測できることから、環境・安全分野での活用可能性も高い。

キム・ウヨン教授は「人工知能が化学の基本原理を理解し、分子の安定性を自ら判断した初の事例だ。新素材開発の手法を根本的に変える技術になる」と語った。

(c)news1

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