
韓国で、ソウル・梨泰院雑踏事故(2022年10月29日)に関連した「被害者の権利保障と真相究明および再発防止のための特別法」一部改正法案が閣議決定され、10日に公布される。
改正法は、梨泰院事故の犠牲者・被害者に対する二次被害の禁止を特別法に明示した。新聞、放送、情報通信網などで被害者に関する虚偽事実を流布したり、名誉を傷つけたりする行為を禁じる。国・関係自治体には、広報や教育を含む二次被害防止対策を整え、推進する義務を課す。
二次被害に対する独立した刑事罰規定は盛り込まれていない。ただ、刑事処罰に至らない場合でも、国や自治体が削除要請、是正勧告、予防教育などの非刑罰的対応を取れるようにした。
梨泰院事故被害救済・追悼支援団は、これまで個人間の紛争として扱われがちだった侮辱や名誉毀損の問題を、被害者保護という国家的課題として位置付けた点に意義があると説明した。
被害者認定など各種支援申請の期限も現実に即して見直した。被害者認定の申請期限は、従来の「特別法施行後2年以内」から「特別調査委員会の活動終了後6カ月以内」へ延長され、申請は2027年3月15日まで可能となる。
心身回復のための治癒休職の申請期限も、「施行後1年以内」から「特別調査委員会活動終了後1年以内」に延ばし、2027年9月15日まで受け付ける。休職期間は原則6カ月としつつ、医師の診断書があれば最長1年まで利用できるようにした。
さらに、損害賠償請求権の消滅時効を「損害および加害者を知った日から5年」と定め、民法の3年より被害者の権利を手厚く守る内容とした。国と自治体が被害者の健康状態などを長期的に追跡・研究する根拠も整え、研究結果は社会的孤立の防止や後遺症管理、今後の支援政策づくりに生かす。
ユン・ホジュン(尹昊重)行政安全相は「被害者と遺族の傷に寄り添い、日常を取り戻す実質的な助けになることを願う。特別法の施行まで3カ月の準備期間中、後続措置を着実に進め、支援を受けられない人が出ないよう積極的に周知する」と強調した。
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