韓国大統領選を6日後に控えた3日、保守系野党「国民の力」のユン・ソンヨル(尹錫悦)候補と中道野党「国民の党」のアン・チョルス(安哲秀)候補による劇的な一本化合意となった。そのプロセスはジェットコースターのようだった。結局、両者は政権交代の大義を果たすために手を取り合った形だ。
一本化合意により、ユン候補の競争力がさらに強化されるという点で専門家の意見は一致している。ドラマチックな支持率上昇をもたらすことはなくても、一本化によって注目され、勢いに乗っているという印象を与えるに十分だという指摘だ。
インサイトケイのペ・ジョンチャン所長は「一本化は支持率と象徴性という二つの効果がある。支持率の場合、大統領選まであまり時間がない状況で、上昇幅は大きくない。ユン候補は政権交代世論にどれだけうまく乗るかがカギであり、一本化によって政権交代フレームをさらに浮上させる象徴的効果は明らかだ」と説明した。
政治評論家のイ・ジョンフン氏は「アン候補の支持層である中道層も政権交代をすべきだという立場だ。アン候補支持勢力のうち半分以上は移動すると見ている」と述べた。
仁川(インチョン)大政治外交学科のイ・ジュンハン教授も「一本化により『プラスアルファ』の相乗効果が出るまでは期待できないが、薄氷の状況でユン候補に少し弾みがついたのは事実だ。アン候補にだまされたと失望した支持者がいるかもしれない。選挙戦の構図を変えるほどなのか、わからない」という。
ユン、イ両候補の支持率は「紙一枚」の差だ。共に民主党の支持層がどれほど結集するか、浮動層の支持がどこに動くか。こうした不確定要素があるため、ユン候補は勝利を確信できていない、というのが専門家の見方だ。
アン候補については、専門家らは「支持率がこれ上がらず、完走しても政治的利得が大きくなかったことが決定的な理由だ」と分析する。一方、ユン候補もイ候補との接戦が続き、1%の支持さえ切実になっている。両者のニーズが一致した結果が一本化だという解釈も出ている。
イ・ジョンフン氏は「アン候補は前回の大統領選に比べてはるかに及ばなければ、残るは退場しかない。最初から一本化に肯定的でありながら、これまで力比べをしてきた」とみる。一本化が大統領選の勝利につながれば、「政権交代」を名分にした政治的な将来を保障してもらえる。そして政治生命をつなぐための突破口を開くことができる――アン候補にはこうした計算があったのではないか、という見方もある。
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