2026 年 1月 31日 (土)
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「ごみのガス」を原料に飛行機が飛ぶ…韓国の研究チーム、統合工程で航空燃料を実証生産

韓国化学研究院が大邱の埋立地付近に構築した航空燃料生産の実証施設=化学研究院提供(c)news1

食品ごみなど有機性廃棄物の埋立地から発生するガスを原料に、航空燃料を製造する統合工程の実証に成功した。

韓国化学研究院は23日、イ・ユンジョ博士研究チームがイントゥコアテクノロジーと共同研究し、実証施設での連続運転を通じて持続可能航空燃料(SAF)の生産を確認したと発表した。

すでに精製業界では廃食用油を使ったSAF製造が進むが、廃食用油は発生量が限られ、バイオディーゼルなど他用途とも競合するため調達が難しい。今回の技術は、食品ごみや家畜ふん尿由来で量が豊富な「埋立地ガス」を活用した国内初の実証事例となる。

埋立地ガスを航空燃料へ転換するには、不純物を除去して適切な中間原料に精製し、気体状態の合成ガスを高効率で液体燃料へ変換する工程が欠かせない。研究チームは、ガス前処理から合成ガス製造、さらに合成ガスから液体燃料への触媒反応までを一体化した統合工程を構築した。

前段工程を担うイントゥコアテクノロジーは、埋立地で回収したガスから膜分離技術で硫黄成分などの不純物を除去し、過剰な二酸化炭素を低減する前処理を施す。その後、自社開発のプラズマ改質反応器で、航空燃料に適した性質を持つ高圧の合成ガス(一酸化炭素と水素)へ転換し、化学研に供給する。

化学研は「フィッシャー・トロプシュ法」を応用し、合成ガスを液体燃料へ変換した。ゼオライトとコバルト系触媒を組み合わせることで、ワックスなどの固体副生成物を抑え、液体燃料の選択性を高めた点が特徴だ。

さらに、反応中の過剰発熱による触媒劣化を防ぐため、触媒層と冷却層を交互に積層した「マイクロチャネル反応器」を採用。反応熱を迅速に除去し、反応の暴走を抑制する構造とした。装置はモジュール化され、従来比で最大10分の1まで小型化できる。

研究チームは、大邱市達城郡の埋立地に約30坪規模、2階建て住宅程度の実証施設を整備。運転の結果、1日当たり約100キログラムのSAF生産に成功し、液体燃料の選択性は75%以上に達した。現在は長期運転条件の最適化と、触媒・反応器性能のさらなる高度化を進めている。

(c)news1

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