2026 年 1月 26日 (月)
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人が担ってきた宅配の梱包・仕分け、ロボットが代替へ…韓国・物流業界、10年先を見据えた投資

CJ大韓通運提供(c)news1

韓国の物流業界で、ヒューマノイドロボットを巡る実証が加速している。単純・反復工程が中心の製造工場とは異なり、人の判断や手作業が欠かせず自動化が難しかった物流現場に、ヒューマノイド技術を導入しようとする動きだ。

CJ大韓通運は「AIの頭脳」開発に着手し、ロッテグローバルロジスティクスは二足歩行ヒューマノイドの実証を進めている。ハンジンも直ちではないものの、中長期的な活用可能性を検討中という。まだ初期段階だが、ヒューマノイドやフィジカルAIが世界的な技術潮流として浮上する中、物流業界も先手を打った形だ。

物流センターでは以前から自動化が進んできた。バーコードスキャンやベルトコンベヤーによる仕分け、ホイールソーターといった設備は、2010年代後半には現場で定着した。一方、箱の形状や大きさがばらばらで、状況判断が求められるピッキングや梱包、出庫工程は、依然として人の手に頼ってきた。

このため、物流は自動化水準が高い製造業に比べ、ロボット導入が難しい分野とされてきた。人のように見て判断し、手足を使って作業できるヒューマノイドなら、その壁を越えられるとの期待が業界にある。

物流現場には、反復的で労働負荷が高く、酷暑や厳寒など過酷な環境下で敬遠されがちな作業も多い。業界関係者は「ヒューマノイドは既存の雇用を奪う存在ではなく、人が担いにくい高強度・高リスク作業を補助、代替する発想だ。完全無人化を目指すモデルとは異なる」と話す。

CJ大韓通運は、フィジカルAI企業「リアルワールド」と組み、ヒューマノイドロボットの中核となる「物流用ロボット・ファウンデーション・モデル(RFM)」の共同開発に踏み切った。人のように状況を認識し、判断して動くAI技術が柱となる。

両社は、物流センターに蓄積されたピッキング、仕分け、梱包などの実作業データをもとにRFMを学習・高度化し、現場実証から商用化まで一体で進める計画だ。CJ大韓通運は自動化可能な工程の発掘や事業性検証を担い、リアルワールドは高精度なロボットハンド制御を軸にソフトウエア開発を受け持つ。

同社はTES物流技術研究所を中心に、ロボットとソフトウエアの自動化を継続してきた。ヒューマノイドも既存の物流ロボットや人と共存する形で活用する構想だ。

ロッテグローバルロジスティクスは、ロボティクス企業「ロブロス」と共同で二足歩行ヒューマノイドの実証研究を進めている。実際の物流運営データを学習させ、社内システムと連動させて最適化する狙いだ。

大学での技術検証が終わり次第、鎮川フルフィルメントセンターにロボットを配置し、出庫や梱包作業を直接学習させながら追加データを収集する計画という。将来的には主要物流センターへ展開し、商用化の可能性を探る。

同社関係者は「国家プロジェクトとして進むヒューマノイド技術に物流現場の需要があり、協業に踏み切った。人より効率が劣るなら導入する意味はない。現段階はあくまで実証だ」と説明する。

ハンジンも、海外フルフィルメントセンターなどを念頭に、人員効率や作業の安全性を高める技術としてヒューマノイド導入を中長期で検討しているという。

物流各社が重視するのは、人員効率や作業安定性をどこまで高められるかだ。単なる人件費削減ではなく、高負荷作業の軽減、作業品質の均一化、事故リスクの低減といった構造的な効率改善を狙う。

業界関係者は「世界的に人手確保とコストの問題は深刻化している。ヒューマノイドは短期的成果を求める投資ではなく、10年、20年先を見据えた技術投資の色合いが強い」と語った。

(c)news1

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