
「お肌の年齢が平均より若いですね」。韓国・現代免税店トレードセンター店の9階では、まるでオリーブヤングを思わせる光景が広がっていた。人工知能(AI)技術を取り入れたパーソナライズド・ビューティー体験ゾーン「AIビューティートリップ」が新たに運営されているためだ。パーソナルカラー診断を通じて似合うメイクアップ製品の推薦を受けたり、肌の状態や老化の程度も診断してもらえる。
ウォン安や中国人転売業者の減少によって免税市場の不況が長期化する中、免税店は「販売」よりも「体験」を前面に出したコンテンツ戦略で生き残りを模索している。メガ・ニュース(MEGA News)のキム・ミナ記者が取材した。
◆10秒でパーソナルカラーと肌タイプの診断が可能
21日午前、現代免税店トレードセンター店の9階に入ると、最初に目に入ったのは「AIビューティートリップ」ゾーンを案内する標識だった。空港の内部を思わせるようなデザインの標識に、「一度のスキャンで完成する私だけのビューティーレポート」というフレーズが印象的だった。
これは、わずか10秒ほどの短い時間で顧客のパーソナルカラー、顔型分析、コントゥアリング(陰影メイク)コンサルティング、メイクムードコンサルティング、肌タイプ、肌年齢などを診断できるという。
現代免税店は、スタンド型の「メイクアップAI」と鏡型の「スキンプロAI」を設置した。メイクアップAIは顔を撮影すると顔型と比率を分析し、パーソナルカラーを診断したうえで、診断レポートとパーソナライズされた商品を推薦してくれる機器である。
現代免税店に入店しているブランドのうち、約60%にあたる36のビューティーブランドが参加し、約800点の商品に関する詳細情報が連動されており、精度の高い推薦が可能だ。
まずメイクアップAIは、機器の画面をタッチして性別・年齢・人種的アイデンティティを選択し、顔を画面の枠に合わせると自動的に撮影が完了する。10秒もかからない短時間で、パーソナルカラーの結果と共に詳細な分析レポートを確認できる。韓国語のほか、日本語・英語・中国語にも対応しており、レポートはスマートフォンでも受け取れる。
この機器はAIベースのビューティースタートアップ「トゥイニット」との協業で製作された。トゥイニットは、GS25ニューアンニョン仁寺洞店に設置された「AIビューティーデバイス」も開発した企業である。

現代免税店は「メイクアップAI」がより詳細な分析結果および商品推薦を提供する点を強みとして挙げた。通常、パーソナルカラーは「スプリングウォーム」「サマークール」「オータムウォーム」「ウィンタークール」の4タイプで診断されるが、このシステムでは全12タイプに分類してより細かい診断結果を提供している。
撮影された写真をもとに、肌の色(明度・彩度・色温度)、目の色(明度・彩度・色温度)、唇の色(明度・彩度・色温度)などを提示し、顔型の分析では「犬顔」か「猫顔」か、さらに顔の上・中・下部の比率まで教えてくれる。
詳細な分析が終わると、現代免税店で販売されているブランド商品の中から、自分の肌トーンに合った商品が推薦される。国内外ブランドを問わず、顧客の肌トーンに最も合う製品を推薦するアルゴリズムが適用されている。
「スキンプロAI」も同様に、性別・年齢・人種的アイデンティティを選び、肌タイプに関する簡単な質問に答えた後、額・左頬・右頬・顎の順で診断機器により肌タイプを測定する。診断には約10秒がかかった。
「メイクアップAI」と同様に、詳細レポートはスマートフォンで受け取ることができる。レポートには肌タイプや肌年齢、しわの分析、AIケアソリューションなどの情報が含まれている。
現代免税店の関係者は「実際に体験してみたお客様は、不思議だとか面白いという反応を見せている。単に買い物をするだけでなく、実際に体験することがトレンドであり、外国人観光客の場合はどんな製品を買えばいいのか分からないときに、診断を通して便利に推薦を受けられる」と説明した。

◆免税店の売り上げが減少傾向…ロッテはK-POP、新世界はK-フードを強化
免税店が体験型コンテンツの強化に乗り出したのは、消費者がもはや免税店を訪れなくなっているからだ。免税店の業績を支えてきた中国人転売業者は、中国経済の低迷を理由に大きく減少し、個人旅行客が増加する中で、オリーブヤングやダイソーなど現地の消費チャネルを好む傾向が強まっているためだ。
韓国免税店協会によると、2025年1月〜11月の国内免税店売り上げは11兆4145億ウォンで、前年同期比12%減少した。一方、同期間に韓国を訪れた外国人観光客は約1742万人で、15.4%増加している。
こうした状況を受け、免税店各社は体験型コンテンツを強化して集客を図っている。ロッテ免税店は1月11日、ソウル明洞本店1階の「スターアベニュー」を全面リニューアルした。体験型コンテンツを拡充し、外国人観光客の誘致を狙うためだ。
「スターアベニュー」は、ロッテ免税店が2009年に外国人観光客へKカルチャーを紹介する目的で造成した空間だ。
新しくなったスターアベニューは、ハイタッチゾーン、大型メディアウォール、体験ゾーンの3つのエリアで構成されている。入口両側には、ロッテ免税店と共に活動したモデルのHearts2Hearts、aespa、TWICEなどの手形が展示されている。大型メディアウォールは横約23.5メートル、縦約4.25メートルの規模で制作され、K-POPをテーマにしたシグネチャーコンテンツや、ロッテ免税店のモデル・ブランディング映像などを楽しむことができる。

最後に、体験ゾーンは全8つのエリアで構成されており、ゲームや映像などさまざまな体験型コンテンツを楽しむことができる。
新世界免税店も、市内免税店においてKフードを中心としたコンテンツ強化を進めている。2025年7月には明洞店に食品キュレーションゾーン「Taste of 新世界(テイスト・オブ・新世界)」をオープンした。
「テイスト・オブ・新世界」開店から6カ月で、食品購入客数は4倍に増え、売り上げは30倍に成長した。また、食品とあわせて化粧品・ファッションなど他カテゴリーとのクロス購入の割合も10倍に増加した。
新世界免税店の関係者は「今後も優れた国内ブランドが免税チャネルを通じてグローバル市場へ飛躍できるよう協業を拡大し、差別化された食品コンテンツを継続的に展開していく」と述べた。
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