2026 年 1月 19日 (月)
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トランプ氏の再登板から1年…変化した北朝鮮と米国、膠着する非核化交渉

2018年6月12日、シンガポールで開かれた米朝首脳会談で、合意文発表後に握手を交わすトランプ米大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記(c)Reuters/news1

2025年1月に始まった第2次トランプ政権は、1年が経過した今も北朝鮮との非核化交渉再開に至っていない。かつて「核保有国としての北朝鮮をある程度認める」ような言動までみせたトランプ氏だが、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の無関心を打ち破ることはできなかった。

2025年10月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)を機にトランプ氏が訪韓した際には、2019年6月の板門店会談の再現を狙った「サプライズ会談」も試みられたが、北朝鮮は応じなかった。

北朝鮮は、2018年当時の「首脳同士でまず会ってから交渉を始める」スタイルを拒否しており、「自らを核保有国と明確に認めた後でなければ、協議のテーブルには着かない」という姿勢を崩していない。

トランプ氏は就任からの1年間、北朝鮮を「危険な存在」とは一度も表現しておらず、イランやベネズエラとは異なるアプローチを示してきた。「成果が見込める管理対象」として北朝鮮を捉えていることを示唆する動きだ。

一方で、米国は日本や韓国と「完全な非核化」という原則を維持しつつ、北朝鮮との水面下では軍縮協議を模索している様子もみせており、北朝鮮側も米国の立場を読みかねている。

北朝鮮はこの1年、米国との直接対話は極力控える一方で、ロシアとの軍事協力を強化しつつ、「戦略的静観」を選んでいる。高強度な挑発は控える代わりに、核保有国としての既成事実化を進め、交渉の地位を高めようとしている。

これは、2019年のハノイ会談での「ビッグディール」方式に再び応じる意思がないことを明確にし、交渉が再開されても、非核化の定義やプロセスを自国に有利な形で再構成する意図があるとみられる。

こうした流れは、8年前と比べて米朝の出発点が根本的に異なることを意味し、交渉が始まっても非核化への進展が簡単ではない構造的要因となっている。

トランプ氏は引き続き首脳レベルの「トップダウン方式」を好んでいるが、北朝鮮は「多極体制の構築」を大義に、中国やロシアとの協調を重視する姿勢を取っている。

両国とも最終的な対立は望んでいないとみられるが、その「安定」がむしろ交渉再開の原動力を削ぐ「構造的膠着」をもたらしているという見方も出ている。

米朝が歩み寄れない背景には、単なる意思不足ではなく、非核化の定義や制裁解除のタイミングに関する根本的な立場の違いがある。

また、近年のベネズエラのマドゥロ大統領追放やイランへの軍事介入示唆などから、キム総書記の米国への不信が一層深まっているとの見方もある。

今後、北朝鮮の第9回党大会での対外方針の変化や、4月に予定されるトランプ大統領の訪中などが米朝関係のターニングポイントになると予測される。仮に党大会で大きな変化が示されなければ、トランプ訪中でも米朝対話の突破口は開かれない可能性が高い。

(c)news1

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