
韓国大手通信会社KTが2025年12月31日から2026年1月13日まで実施した解約違約金免除措置をきっかけに、モバイル通信市場では“契約者の大移動”が起こった。
この14日間で発生した番号移転(MNP)件数は66万4400件。1日平均4万7000件超と、通常の3倍以上に達した。背景には、昨年のハッキング事故で市場シェア40%を割ったSKテレコムを中心とした通信3社の顧客争奪戦がある。
しかし、この違約金免除の恩恵が一部の「チェリーピッカー」(利得目的の短期利用者)に集中していたとの批判が出ている。
科学技術情報通信省によれば、2025年10月時点の携帯電話契約回線数は約5764万回線。このうち、今回の違約金免除期間中にMNPをした利用者は全体の約1.2%にとどまった。
また、KTによると、この期間に同社から離れた約31万人のうち、契約期間1年未満の短期利用者が大半を占めていたという。昨年7月に「端末流通法」が撤廃されて以降、一部の販売店では支援金の差別支給が可能となり、“相場に詳しい”ユーザーだけが実質的な利益を享受した格好だ。
あるKT加入者は「端末を変えずにUSIM(SIMカード)だけを移せば15~20万ウォンもらえると聞いたが、一部の販売店では40万ウォンまで出るという話もあった。同じ利用者なのに差別されているようで不快だった」と語った。
さらに、需要が高まったこの“繁忙期”に各販売店間の競争が激化。虚偽広告や不完全販売など、かつての混乱した販売慣行が再現される事態となった。
一方、政府が通信3社に対抗するために育成してきた格安携帯(MVNO)業界は苦戦を強いられた。免除期間中のMVNO加入者はわずか1万7300人の純増にとどまり、SKテレコム(16万5400人)、LG U+(5万5300人)との差は歴然だった。
業界関係者は「普段はMVNOの方が純増幅は大きいが、通信大手が短期イベントとして違約金免除と共に大型補助金を投じると、価格競争にならない」と吐露する。
専門家からは「誰のための違約金免除だったのか」という批判も出ている。特に「サイバー事故時の違約金免除」という新ルールが前例化される恐れがあると指摘されている。
ある元高官は「当初、科学技術情報通信省が違約金免除の可否を法的に諮問した際も、全会一致の賛成ではなかった。行政指導の名のもとに、過度に市場へ介入しているのではないか、慎重な見直しが必要だ」と語った。
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