
◇対米交渉への共同対応
グローバルな覇権争いと対外的な不確実性の拡大は、韓国だけの悩みではなかった。日本と韓国の国民はいずれも「対米交渉への共同対応」を日韓経済協力の最優先課題に挙げた。各国による資源の兵器化の流れに対抗する「サプライチェーン協力」も、経済連携の核心分野として指摘された。
分野別の協力を強化しながら、最終的にはASEAN自由貿易地域(AFTA)や北米自由貿易協定(NAFTA)のように、「日韓経済共同体」を形成すべきだという肯定的な世論も形成されつつある。
日韓経済協力に対する国民認識調査の結果によると、韓国の回答者の57.0%、日本の回答者の32.2%が、日韓経済協力が必要な重点分野(複数回答)として「対米交渉など対外交渉への共同対応」を挙げた。
これは両国国民が関税などの通商問題を喫緊の課題と認識していることを意味する。日韓両国は、米国との間で相互関税を15%に引き下げ、それぞれ3500億ドル、5500億ドルの対米投資を約束した。相互関税など保護主義の高まりの中で、具体的な投資実行の時期と分野を巡り、対米交渉力を高める必要がある。
優先順位には小さな違いが見られた。韓国側は▽少子化・高齢化など社会問題への対応(39.6%)▽エネルギー協力(38.4%)▽素材・部品・装備のサプライチェーン安定化(33.0%)▽金融およびスタートアップ投資(22.6%)▽新興市場への共同進出(16.4%)――の順で、経済協力が必要な分野を挙げた。
一方、日本側は▽素材・部品・装備のサプライチェーン安定化(30.2%)▽エネルギー協力(24.8%)▽新興市場への共同進出(17.2%)▽社会問題への対応(15.9%)▽金融およびスタートアップ投資(9.8%)――の順だった。
具体的には、半導体、エネルギー、スタートアップ・ベンチャー投資が両国国民の共通関心事項となった。
半導体・先端産業分野で「韓国の生産能力と日本の素材・部品・装備技術を結合する必要があるか」という質問には、韓国国民の66.5%が肯定的に回答した。日本国民の肯定回答は30.7%にとどまったが、否定回答より4.9ポイント高かった。
「液化天然ガス(LNG)などの共同購入や、水素、原子力発電など未来エネルギー技術の共同開発の必要性」についても、韓国60.6%、日本30.6%が肯定的に回答した。否定回答率(韓国30.2%、日本25.6%)をいずれも上回った。
ただ、スタートアップ・ベンチャー投資の活性化に向けた協力については、両国の意見が分かれた。韓国国民の62.9%が、スタートアップ・ベンチャー投資の活性化のために日韓両政府が共同ファンドを組成し、資本移動の障壁を下げる必要があると答えた。一方、日本国民の肯定回答は23.5%にとどまり、否定回答(27.4%)を下回った。
◇日本と韓国が「経済ブロック」を
目指すべき方向は、経済連携と協力を超えた経済共同体である。グローバルな保護貿易主義への対応策として、日本と韓国が経済ブロックを形成すべきだという意見だ。韓国国民の55.8%は、欧州連合(EU)レベルには及ばないが、AFTAやNAFTAレベルの経済ブロック形成の必要性に共感している。これは否定的回答(11.0%)を大きく上回る。
一方、日本は慎重だった。過半数の50.6%が「普通」と答え、保留的な立場を示した。肯定(24.6%)と否定(24.8%)は拮抗している。
日韓経済共同体の形成に向けて最初に取り組むべき課題として、両国の国民が最も重視したのは「サプライチェーン危機時の相互支援協定」の締結だった。韓国では26.2%、日本では34.2%がこれを最優先の措置として挙げており、経済的な不確実性に対する即時的かつ実効的な安全網の構築が必要とされていることがうかがえる。
韓国の国民はそのほかに▽日韓自由貿易協定(FTA)の締結(24.7%)▽両国企業間のM&A(合併・買収)および投資規制の大幅緩和(21.8%)▽両国間の通貨スワップの常設化(14.2%)▽専門人材の相互就業・移住に関するビザ制度の導入(13.1%)――などを推進すべき項目として挙げている。
一方、日本では「専門人材の相互就業および移住に関するビザ制度の導入」(21.4%)が次点に上がり、続いて日韓FTA(18.3%)への支持が見られた。
これらの結果から、両国は経済的な結びつきを深めるためにまずは制度的・法的枠組みの整備を進める必要があり、とりわけサプライチェーンの安定と人材交流の促進が、初動段階での重点事項として共通認識されていることが読み取れる。
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